いまヨーロッパでは、抽選によって議員を選ぶ「くじ引き民主主義」が注目を集めている。すでに抽選による選出が行われている例もあるというが、なぜいま「くじ引き」なのか。そもそもくじ引きと民主主義は両立するのか。ヨーロッパ政治に詳しい北海道大学教授の吉田徹さんが解説します。 マクロンが提案した「抽選制」 昨年末から半年以上に亘ってフランス各地で続く黄色いベスト運動を受け、マクロン大統領は4月25日に2時間近くに及ぶ記者会見で、幾つかの改革案を提案した。内容は、選挙制度改革や議員定数の削減、地方分権推進など多岐に渡った。 その中に、少々意外な提案があったことをご存知だろうか。それは、環境問題を討議する新たな評議会の代表や、法案の諮問機関である「経済社会環境評議会」の議員の一部を、市民からの「抽選制」によって選ぶというものである。 繰り返そう。議員を抽選制で選ぶのだ。 日本人の目からすると意外な試みに
LGBTの権利保障や認知について「日本は欧米に比べて遅れている」と言われることが多い。実際、G7で同性カップルを法的に保障する法律がないのは日本だけだ。 国際社会から日本はどのように見られているのだろうか。「日本は遅れている」という言説で止まらず、LGBTに関して国際社会と比較した際、具体的にどのような法律が整備されていないのか。 東京レインボープライドのPRIDE WEEKに合わせ、5月2日にイベント「世界は日本をどう見てる?まきむぅとともに学ぶLGBT」が開催された。 国連から日本に出されている数々の「勧告」 登壇者は金沢大学の谷口洋幸准教授と、タレント・文筆家の牧村朝子さん。谷口さんから、国連を通じて国際社会から日本に対して出ているさまざまな勧告や、その背景にあるシステム、そして根本となる「人権」という考え方について解説があった。 日本は国連のさまざまな委員会や人権理事会からLGBT
人権は道徳ではない、っていう、あの話だけどね。 fairs-fair.org 特にこの記事のこの部分。 谷口さんは「人権は道徳ではありません」と話す。 「人権啓発として『みんなで仲良くしましょう』というキャンペーンをよく見ます。これは裏返すと『仲良くできないのは市民の責任だぞ』と、政府は責任転嫁をしていると言えます。政府には人権を守る責務があり、そのための大前提として差別を禁止し、差別を受けたら救済をして、差別を未然に防止することが必要です」 マジでそう思うわ。 つうか、学校と自治体の人権教育が「人権=道徳=みんなで仲良くしましょう」で覆い尽くされていて本当にヤバいと思う。その量・規模たるや洪水のようだ。 小学校の「人権学習参観」に行ってみればこれがベースでガンガン教えられているし、子どもたちに書かせる「人権標語」で最優秀に選ばれる作品はこのトーンばかりである。「広げよう えがお・やさしさ
南アフリカのミッドランドの自宅で撮影に応じる、南アフリカ唯一の女性の伝統的首長、マサラナボ・モジャジさん(2017年4月24日撮影)。(c)AFP/MUJAHID SAFODIEN 【7月27日 AFP】マサラナボ・モジャジ(Masalanabo Modjadji)さん(12)は、将来、医師になることを目指している女子児童だ。 しかし、彼女は普通の子どもではない。雨を降らせる神秘的な力を宿しているとされる、南アフリカで唯一の女性の伝統的首長だ。 モジャジ一族の女王は、南アフリカ北部リンポポ(Limpopo)州で暮らす民族バロビドゥ(Balobedu)の世襲首長で、マサラナボさんは2005年に母親である前女王が死去した際、生後3か月で王位を継承した。18歳になったら、正式に女王の座に就くことになっている。 AFPは今回、彼女と会うまれな機会を得ることができた。女王は現在、学業のため、バロビド
民意のねじれを生んだ米中間選挙だが、トランプ大統領を熱心に支持する層は健在だ。米中西部のラストベルト(さび付いた工業地帯)に3年ほど通い、アパートにも暮らし、彼らの思いを聞いてきた。同じように米南部に通い、右派の心象風景を描いた著書が全米ベストセラーになった、社会学者アーリー・ホックシールドさん(…
はじめまして、本屋プラグの嶋田と言います。 新潮社が発行する、『新潮45』2018年10月号を通じ、性的マイノリティの方々への侮辱的な評論が広く世の中へ流布されていることへの抗議の意味を込めて、新潮社の新刊書籍の販売を昨日より一時的に取りやめました。 店舗のSNSを通じ、普段お世話になっているお客様、友人に向けたメッセージとして発したものが、新聞記者の方の目に留まり記事になったことで、予想を超えた反響をいただき正直驚いています。(やはり大手メディアの影響力はすごい!) 賛同して下さる方もいらっしゃいますし、もちろん批判の声もいただいています。そうしたお声も、自分たちの考えを深める一助になるものとして、真摯に受け止めてまいります。 ただ、いただいた批判の中で、少々事実や当店の考えに関して、思い違いをされていると感じられるため、改めて今回の新潮社の新刊書籍の扱いの自粛について、思いを述べさせて
These are unsettled times for democratic politics. Shocked by the victory of Eurosceptic coalitions in Austria and in Italy, the neoliberal elites – already worried by the Brexit vote and the victory of Donald Trump – now claim democracy is in danger and raise the alarm against a possible return of “fascism”. There is no denying that western Europe is currently witnessing a “populist moment”. This
メキシコの南東の山の中から。 副司令官 マルコス 1994 年5月 マルコスは、サンフランシスコのゲイである。 そして、南アフリカの黒人であり、 ヨーロッパのアジア人であり、 スペインの無政府主義者、 イスラエルのパレスチナ人、 観光地の先住民である。 貧民街の暴力団員、 由緒正しい大学のロックミュージシャン、 ドイツのユダヤ人、 国防省の中の人権擁護者、 政治的な政党の中のフェミニスト、 冷戦後の共産主義者、 ボスニアの平和主義者、 ギャラリーも地位もない芸術家、 メキシコのあらゆる都市や場所に暮らす、土曜日の夜を過ごす家庭の主婦、 20世紀の終わりにおけるメキシコのゲリラ、 御用組合の中でストライキをする者、 フェミニズム運動の中のセクシスト、 午後10時に地下鉄の駅に1人でいる女性、 土地のない農民、 地下出版社の編集者、 失業した労働者、 オフィスのない医者、 流行にはずれた学生、
民衆の煽動、デマゴーグ? 「亡霊が世界を徘徊している。ポピュリズムという亡霊が」 ナショナリズム研究で著名なアーネスト・ゲルナーがこう語ったのは、1967年のことである。それから半世紀、ポピュリズムは新たな相貌を纏(まと)って世界中で増殖しつつあるように見える。 当時はアメリカのマッカーシズムのほか、トロツキズム、チトーイズム、マオイズム、カストロイズムといった共産主義圏の独裁を示す言葉として注目されたが、冷戦後の現在、全世界的な現象を指し示すものになりつつある。 ゲルナーがそう語ったロンドン大学(LSE)でのシンポジウム(1967年5月19-21日)の課題は、「ポピュリズム」populismという言葉を定義することにあった(その報告書は2年後にWeidenfeld & Nicolson社から出版されている)。だが、今日再びよく耳にするようになったこの言葉は、今なお明確な定義もなく、1つの
Malala has returned to Pakistan for the first time after she was shot almost six years ago. While many, including state officials, have welcomed her, there are also some who remain suspicious, even celebrating “anti-Malala day”. It seems she has as many detractors as she does fans. In October 2017, she was trolled online for wearing jeans. Earlier, in May 2017, a Pakistani minister claimed the att
【重要なお知らせ】お問い合わせフォーム故障中につき、直接メール(koudoku@toshoshimbun.com)かお電話にてバックナンバー・定期購読の御注文をお願い致します。 ■国政に大きな影響を与えているといわれる保守系運動体「日本会議」。昨年から今年にかけて「日本会議」に関する本が多数刊行され、一般にも「日本会議」の存在は浸透したと言えるだろう。そんな「日本会議」本ブームが一息ついたところで、保守系団体の活動を批判的にウオッチしてきた斉藤正美、能川元一、早川タダノリの三氏が、各本の功績と問題点を総括。「日本会議」研究の〝これまで〟と〝これから〟を明らかにする。 ■「日本会議」本ブームから一年 早川 二〇一六年から一七年にかけて、「日本会議」に関する本が、ムックも含めると一〇冊ほど刊行されました。 言うまでもなく日本会議とは、神社本庁など反共右派宗教団体が結成した「日本を守る会」と、右
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