ウクライナとガザで戦争が続く。とりわけ連日伝えられるガザでの悲惨な状況はTVニュースの画面を見るだけで胸が痛む。子どもたちや赤ん坊が傷つき、殺され、時に瓦礫の中の遺体として写し出される。海外で配信されている映像にさえ残酷な場面が映示される旨の警告が付されるのだ。イスラエル軍の圧倒的な暴力が彼の地を覆っていることに疑いの余地はなく、ガザで進行しているのが住民の絶滅をめざした虐殺であることも明らかである。(酒井啓子は『現代思想』の特集でガザ住民の半数が殺害され、半数がガザを追われると予想している)しかしイスラエルをめぐる暴力の淵源は根深い。そこには20世紀から今世紀までユダヤという民族に繰り返し加えられた差別と迫害、被害と加害の歪んだ連鎖がうかがえる。このブログでは第二次大戦前後に東ヨーロッパを中心に繰り広げられたユダヤ人絶滅政策と関わる研究や小説、映画などを繰り返し取り上げてきたが、今回はナ