ホメオパシーの批判が喧しい。・・・と書いても、医師であり遺伝学者でもある私はこれについては当然賛成である。批判者はLancet2005メタ解析とお経のように繰り返しているんだけれども、これも当然で、あの10,000人規模のホメオパシーの効果判定試験を超えるホメオパシーの評価というのは、今後なかなか行われないだろう(「効果が劣らないことを証明する試験」というのもあって、その場合サンプル数がもっと必要になるが、これはそうではないことにも注意が必要と思う。あくまでホメオパシーが偽薬に優越することは証明できなかった、いっぽうそれと対応するように選ばれた同じ疾患に同等の患者群を用いた現代医療は偽薬に優越していることが証明できたという試験である。この後者の理解も重要。プラセボと同等だからいい、わけではないのだ。だってホメオパシーには存在しない、プラセボより効果がある薬を現代医療は持っているわけだから。