いやこれはすごい。原著は昨年7月に発売されたばかりですが、歴史に残る作品になるのじゃないか。 ●マルク=アントワーヌ・マチュー『3秒』(原正人訳、2012年河出書房新社、1800円+税、amazon) 出版社よりご恵投いただきました。ありがとうございます。 まず本の判型が正方形。1ページに正方形のコマが9つ。この定型的コマ構成が最後までえんえんと約70ページ続きます。絵はモノクロ。フキダシや擬音がなくてサイレント。 第1ページ最初のコマは全面黒塗り。コマの進行とともに中央にぽつんと光が見えてくる。これが拡大されていくとそれは暗い室内から見える明るい窓らしい。窓の向こう側には向かいのビルが見えてくる。そのビルの一室には書影に登場する男がいて、こちらを見ている。カメラはその男の目に寄っていく。もっと寄る。もっと近づく。 すると男の瞳に男が持ってるスマートフォンが映ってるのが見えてきます。どうも
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