1 二十歳になったとき、「選挙」のことでちょっと悩んだ。誰にいれてよいかわかれへん。次善の人を選べというけど、「何」が次善かもわからん。で、投票にはいかんかった。 そのあとは田舎をはなれてあちこち住所不定みたいやったから、選挙があっても無関係やし、まるで関心がなかった。 ひとつおぼえているのは、都知事選。労組や市民運動してるひとたちがずいぶん応援して、美濃部さんが当選したんやけど、「革新派」の知事いうことになってるから、いままでより文句をつけにくなって、かえってやりにくなったと都庁で組合に勤めてた友人がこぼしとった。ようするに、何でもかんでもすべてお任せしますいうて、そんなこと頼むつもりもないのにわたしらの代表やいう議員を選ばされるのが選挙なんや。そんなんで(大阪に住むようになってから投票用紙がくるようになったけど)ついに一回も選挙にいったことがない。 そやけど、市民運動のなかから立候補を