■哲学者、内田樹御大の最近の戦後論。リンクをかってに付加。 “あれから40年” …… 新左翼の学生運動というのは、幕末の「攘夷」運動の3度目のアヴァターなのだ。 そのことを政治史家たちが見落としているのはいささか私には腑に落ちぬことである。 ご存知のとおり、日本における学生運動は全学連(全日本学生自治会総連合)とともに始まる。 …… その全学連を基礎づけたものは何かというと、これは「果たされなかった本土決戦」をもう一度やり遂げなければ、日本の精神的再生はありないという青年たちの「攘夷の本懐」だったのである。 全学連の中心メンバーたちはほとんどが敗戦時に小学生か中学生である。 彼らは「少国民」として皇国不敗を信じ、神風を信じ、最後の一兵まで戦うのだという大人たちの言葉を信じた。 そして裏切られた。 そのあとの「敗戦国の平和」を戦後生まれの私たちはのんびりと享受していたが、敗戦を5歳から15歳