中央省庁や国会では既に整備されていたものの、三権の担い手では裁判所だけが設置してこなかった情報公開への不服を審査する第三者機関。裁判所だけで全てを完結するという閉じた制度での運用が続いた背景には、三権分立、裁判官の独立の重視や裁判所に情報公開を求める件数の少なさがある。識者は「裁判所は三権分立や裁判官の独立という意識が強すぎた。国民主権を考えれば当然の設置だ」と指摘する。 中央省庁に関しては平成13年に情報公開法が施行。同法施行と同時に、内閣府には全省庁の開示結果への不服を審査する第三者機関「情報公開審査会(現在は情報公開・個人情報保護審査会)」が設置された。 ただ、三権分立への配慮などから、国会と裁判所は情報公開法の対象外となったため、それぞれ、情報公開法を参考にした独自の規則を設けて対応してきた。衆院事務局は20年に、参院事務局は23年に情報公開制度を開始すると同時に第三者機関を設置。
全国の裁判所に対する司法行政文書の情報公開制度をめぐり、最高裁が申出人による開示結果への不服申し出の受け皿として、7月1日から第三者による諮問機関を設置することが分かった。中央省庁や国会では第三者機関が不服に対する審査をすることで制度化されているが、三権の担い手では裁判所だけが設置していなかった。 裁判所の情報公開制度の対象は、裁判所の運営や予算の執行など司法行政に関する資料が対象。裁判そのものの記録については、各訴訟法に基づいた閲覧制度があり対象外だ。 申出人は資料があるとみられる各裁判所に情報公開を求める。7月からの新制度では、開示結果に不服がある場合、申出人が最高裁に不服申し出を行う。申し出を受けた際、最高裁は有識者による第三者機関「情報公開・個人情報保護審査委員会」に諮問。委員会から開示結果に問題があるとの答申があれば、最高裁が開示を求められた裁判所に通知し、各裁判所は答申に基づく
「沖縄の新聞社はつぶせ」「マスコミを懲らしめるには広告がなくなるのが一番」――。自民党の勉強会で飛び交った放言は、26日の衆院特別委員会で集中砲火を浴びた。勉強会は安倍晋三首相を支える中堅・若手が開いただけに、野党は「沖縄」の尊厳を侵したり、報道の自由を威圧したりするような姿勢に対し、「安倍政権の本質的な問題だ」と追及した。 勉強会「文化芸術懇話会」は25日夕、自民党本部で開かれた。 「九条の会」の発起人に名を連ねる作家・大江健三郎さんや、脱原発に取り組む音楽家・坂本龍一さんら、リベラル系文化人の発信力に対抗し、政権の思想や政策を文化人を通して発信してもらう狙いだ。 首相と親しく、最初の講師に選ばれた百田尚樹氏は、報道陣に公開された冒頭で「反日とか売国とか、日本をおとしめる目的で書いているとしか思えない記事が多い」とマスコミ批判を展開。議員は「そうだ!」と盛り上がった。 その後、会合は非公
世界で紛争や迫害などによって住む場所を追われた人たちが急増している。五千九百五十万人に上っており、第二次大戦後で最悪の数字だ。「難民鎖国」と批判される日本では、難民申請する人が大幅に増えているにもかかわらず、認定されるケースはほとんどない。支援団体などからは「日本は国際社会での責任を果たしていない」との声が上がる。 (沢田千秋、三沢典丈) 【こちらは記事の前文です】 記事全文をご覧になりたい方は、東京新聞朝刊または、携帯電話の有料会員サービス「東京新聞・東中スポ」をご利用ください。 東京新聞は、関東エリアの駅売店、コンビニエンスストアなどでお求めいただけます。 「東京新聞電子版」なら全国どこでも、また海外でも、記事全文が紙面ビューアーでご覧いただけます。 購読・バックナンバーをご希望の方は「新聞購読のご案内」をご覧ください。 掲載日やキーワードから記事を探す「記事検索サービス」もご利用
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 労働者派遣法の改正を巡って、国会が大荒れとなっている。乱闘騒ぎで負傷者が出る事態を経て、6月19日に衆議院を賛成多数で通過。議論の場は参議院に移り、本国会で成立する見込みだ。だが、現在も民主党を中心とした野党は、なおも「廃案にすべき」と強く訴えている。一部マスコミにも「派遣労働者」のためにならないとして、この改正に批判的な論調がある。 反対派は、法改正によって派遣労働者が「生涯派遣」に陥るリスクが大きいという。今回の法改正では「派遣先企業が同じ業務に派遣労働者を継続して受け入れられる期間は、専門業務などを除いて原則1年から最長3年」というルールを撤廃し、「派遣労働者を3年ごとに変えれば期間に制限なく派遣できる」というものだ。派遣労働者は3年ご
出版社「青林堂」が発行した本によって名誉を傷つけられたとして、東京都内の会社員が慰謝料や謝罪広告、出版差し止めなどを求めて訴えていた裁判で、和解が成立した。原告側は6月25日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、「レッテル貼りは迷惑で、許しがたい」と語った。 問題の書籍は、青林堂が2013年11月に出版した『日本のために 井上太郎@kaminoishi』。著者は、井上太郎という人物とされる。原告は、東京都練馬区の会社員で、反ヘイトスピーチ運動に取り組んでいる木野寿紀さん(32)だ。この『日本のために』のなかで、木野さんは「極左公安対象者として写真が残っているようです」とか、「在日左翼暴力集団」の事務所に「出入りしている」などと書かれたという。 和解は6月23日付け。青林堂がこうした記述を取り消す旨の「謝罪広告」をサイトに掲載するほか、青林堂が木野さんに慰謝料25万円を支払うことや、ウェブ
2015年06月26日14:43 カテゴリフリートーク 失業したジャーナリストに、同じく失業したジャーナリストからのアドバイス #メディア フェースブック経由情報です。かつてニューヨーク・タイムズのイノベーション・リポートでも取りあげられた事のある新興ニュースサイトのシルカ(Circa)が、事業を止めました。 それに伴い失業したジャーナリストに、同じく失業したジャーナリストからのアドバイスがありました。 poynter.orgが報じています(2015年6月24日午後3時32分投稿。同日午後6時34分更新)。シルカが休止するとの報道があった後、編集主幹のアンソニー・デ・ローザ氏は自分のスタッフについて、次のように投稿していました。 組織の上層部を引き合いに出せなくもないが、編集主幹として働いた以上、自分が率いてきたチームについて独自の語りが出来るのが私だ。短くはあるが、最強の能力と思えたチー
憲法学者らによる反対の声が相次ぐなど、現在国会で議論されている「安保法制」の違憲性が、日に日に明らかになっています。一方、それとは少し違う観点から批判の声をあげているのが、東京外国語大学教授の伊勢崎賢治さん。アフガニスタンや東ティモールの紛争後処理に関わり、国連PKOを率いた経験もある伊勢崎さんは、今回の法案を「自衛隊員のリスクを格段に高めるもの」として強く批判する一方、「政府の違憲行為は、今に始まった問題ではない」とも指摘しています。「このまま矛盾を解消しようとせず、今回の法案を止めて『よかったよかった』で終わるのなら、きちんと改憲したほうがずっとまし」だという伊勢崎さん。その理由について、そして今回の法案の問題点について寄稿いただきました。2回に分けてご紹介します。 いせざき・けんじ 1957年東京生まれ。大学卒業後、インド留学中にスラム住民の居住権獲得運動に携わる。国際NGOスタッフ
百田尚樹氏の「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」という発言は、政権の意に沿わない報道は許さないという”言論弾圧”の発想そのものであり、民主主義の根幹である表現の自由、報道の自由を否定する暴論にほかならない。 百田氏の発言は自由だが、政権与党である自民党の国会議員が党本部で開いた会合の席上であり、むしろ出席した議員側が沖縄の地元紙への批判を展開し、百田氏の発言を引き出している。その経緯も含め、看過できるものではない。 さらに「(米軍普天間飛行場は)もともと田んぼの中にあった。基地の周りに行けば商売になるということで人が住みだした」とも述べた。戦前の宜野湾村役場は現在の滑走路近くにあり、琉球王国以来、地域の中心地だった。沖縄の基地問題をめぐる最たる誤解が自民党内で振りまかれたことは重大だ。その訂正も求めたい。 戦後、沖縄の新聞は戦争に加担した新聞人の反省から出発した。戦争につながるような
問12 沖縄県の経済は基地経済に大きく依存しているのではないですか。 基地依存度(県民総所得に占める米軍基地関連収入の割合)は、昭和47年の復帰直後の15.5%から令和元年度には5.5%と大幅に低下しています。 米軍基地の返還が進展すれば、効果的な跡地利用による経済発展により、基地依存度はさらに低下するものと考えています。 説明 令和元年度の「米軍基地関連収入」は、軍雇用所得540億円、軍用地料881億円、米軍などへの財・サ-ビスの提供1,127億円、その他163億円の合計2,712億円となっています。 県民総所得に占める割合は、復帰時の15.5%から5.5%へと大幅に低下しており、「米軍基地関連収入」の動向が県経済を大きく左右することはなくなっています。 基地は経済活動を主な目的とした施設ではないため、本県の経済的な生産規模を拡大させる潜在力に乏しく、また土地利用にひずみをもたらすなど、
来間泰男著 政治・経済のみならず社会全般に影を落している軍用地料問題に鋭いメスをいれ、沖縄社会の病根をえぐる。 A5判、並製、112頁 定価(本体900円+税) 〈目次(抄)〉 第一章 「軍用地買います」 第二章 アメリカ軍基地の成立 一、日本本土におけるアメリカ軍基地建設のはじまり 二、沖縄におけるアメリカ軍基地建設―第一次土地接収 三、読谷村と北谷村の場合 四、宜野湾村の事例 第三章 講和条約・安保条約とアメリカ軍基地 一、対日講和条約 二、日米安保条約 三、国内のどこに基地を設けるか 四、その後の基地の新設・拡張 五、講和直後の基地配置とその反対闘争 六、内灘の闘い 七、講和発効と沖縄の基地問題 八、軍用地の「法的」確保と地料の支払い開始 第四章 「島ぐるみの土地闘争」 一、銃剣とブルドーザーによる強制接収―第二次土地接収 二、那覇市内の旧小禄村具志の場合 三、宜野湾市伊佐浜の場合
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く