新型の豚インフルエンザ感染者が多数出ているメキシコからは、多くの企業が社員を帰国させている。その一つ、三菱重工業は、帰国者を名古屋市内の研修施設に「隔離」している。対象者は84人に上り、現在は十数人が滞在中。10日間の滞在期間中は1日2回の検温など、万全の態勢で発症に目を光らせている。 風呂やトイレ、テレビが備え付けられている約18平方メートルの個室から、一歩も出ずに10日間を過ごす――。 名古屋市東区にある三菱重工の技術研修所は現在、おそらく国内では最もメキシコ帰りの日本人が集まっている場所だ。 同社では、火力発電所の工事を請け負う社員77人と、駐在員7人がメキシコに滞在していた。新型インフルの警戒度が「フェーズ4」に引き上げられた直後の4月28日、全社員を一時帰国させることを決定。機内検疫で問題が無かった社員を名古屋市内の研修所に滞在させることにした。 広報担当者は「感染を拡大