福岡市は、生活保護受給者の医療費適正化と糖尿病の重症化予防を目的にした厚生労働省のモデル事業を2017年度、本格化させる。生活保護受給者が医療機関を受診したレセプト(診療報酬明細書)データを民間業者と分析し、重複受診などが目立つ受給者に対してケースワーカーが改善指導を行うなどする。16年度は市内2区で試行しており、新年度からは市内全域に拡大する方針だ。 ■15年度決算413億円 新年度一般会計当初予算案に前年度比約2倍の1700万円余を計上した。厚労省も有識者検討会で、自治体が生活保護世帯への健康指導を強化する法改正を視野に議論を進めており、福岡市の取り組みに注目が集まりそうだ。 同市の生活保護費は高止まりしている。 市内の15年度の生活保護受給者は月平均約4万4千人。生活保護費は年間約812億円で、一般会計歳出総額の約1割を占めている(決算ベース)。うち基本的に全額公費で賄う医療費(施術