<大阪の西成で調査や支援活動に携わってきた社会学者による『貧困と地域』で知る、スラムとドヤの違い、知られざる釜ヶ崎(あいりん地区)の姿> 『貧困と地域――あいりん地区から見る高齢化と孤立死』(白波瀬達也著、中公新書)の著者は、長年にわたり大阪の西成で調査や支援活動に携わってきたという社会学者。自身が就職氷河期を通過してきた「ロスト・ジェネレーション」であるため、貧困問題には当事者感覚があったのだという。 そこで"漠然とした問題意識"を背景としてホームレス問題を研究対象に定め、あいりん地区でフィールドワークを実施するようになった。そうした経験を軸としたうえで、同地の貧困問題を検証したのが本書だ。 本書は、あいりん地区を通じて、「貧困の地域集中」とそれによって生じた問題を論じるものだ。あいりん地区の歴史的背景を踏まえ、この地域が被ってきた不利を明らかにし、それに対してどのようなセーフティネット
あいりん地区で生活する男性と話す女性(右)。“おっちゃん”との会話は大切にしていることの1つだ=大阪市西成区 「労働者の街」として知られる大阪市西成区のあいりん地区で生きる人々や日常を、ブログで発信している女子大生がいる。かつて暴動が起き、そのイメージから敬遠する人も少なくないあいりん地区に定期的に足を運び、年末年始には支援活動を行う人々と行動をともにした。「あいりん地区について先入観を持っている人が多い。よそ者だから、学生だからこそ伝えられることがある」。等身大の発信を続けている。(鈴木俊輔) ブログは「釜ケ崎と女子大生」。昨年11月、京都府内の大学院に通う20代の女性が開設した。あいりん地区の通称「釜ケ崎」と、自身が拠点としている京都から一文字ずつ取って「かまきょう」と名乗り、あいりん地区で出会った人や抱える問題などについて、つづっている。 あいりん地区に初めて訪れたのは昨年2月、知人
路上生活者支援に向けた議員立法「ホームレス自立支援特別措置法」の改正法が14日、参院本会議で可決、成立した。特措法は8月が期限で、10年間延長する。一時は延長が危ぶまれたが、支援団体などが議員に働きかけ失効を免れた。 特措法は平成14年に成立し、24年に5年間延長。同法は、ホームレスの仕事の確保や住宅入居への支援、生活相談・指導、実態把握のための全国調査や施策実行計画の策定など、国や自治体の責務を規定している。 支援団体によると、特措法成立以降、自立支援施設が全国各地に設置され、ホームレスの数は年々減少。厚生労働省によると、15年に約2万5千人だったが、24年に9576人、今年の調査では5534人まで減少した。
2015年度に生活保護を受けた人の数(各月の平均、確定値)は、前年度より2210人少ない216万3685人だった。減少は20年ぶり。厚生労働省が7日発表した。現役世代の受給者が減ったためといい、雇用環境の改善が背景にあるとみられる。一方、高齢者の受給世帯は過去最多だった。 受給者数は1995年度の88万2229人から増え続けていた。15年度に生活保護を受給しなくなった人の理由で、「働きによる収入の増加」は前年度より0・4ポイント増の19・2%だった。16年度の各月の平均は速報値ベースで214万人台で、減少傾向が続いているとみられる。 15年度の世帯数は、高齢者の受給者が増えていることを受け、過去最多となる162万9743世帯だった。種類別でみると、現役世代を含む「その他の世帯」は27万1833世帯で前年度より8779世帯減った。傷病者・障害者世帯も1万1590世帯減の44万2369世帯とな
来年度に迎える5年に1度の生活保護費の支給水準見直しに向けた議論が6日、本格化した。厚生労働省は高齢者の単身世帯の生活水準を指標に加える案を提示。長期的に保護費が下がる可能性が出てきた。保護費は抑制傾向が続いており、憲法がうたう「健康で文化的な最低限度の生活」の定義も問われる。 6日にあった社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の生活保護基準部会。生活保護費の基本となる食費や光熱水費に充てる生活扶助について、厚労省は今回、夫婦と子ども1人のモデル世帯に加え、単身の65歳以上世帯による消費動向も調べ、支給水準を定める際の参考にする考えを示した。その結果を保護世帯全体の水準に反映させるという。 2007年度の改定ではこうしたモデルを参考にし、この時の単身世帯は60歳以上とした。これを5歳引き上げる案だ。厚労省は「生活保護受給世帯の中で65歳以上の単身世帯がもっとも多い」と理由を説明した。高齢者が占
「ケースワーカー」のお仕事というと、みなさんはどんなイメージでしょうか。漠然と「相談員みたいな仕事」と思うかもしれませんね。最近では「社会福祉士」という国家資格もメジャーになっていますが、それとも違うのです。今回はケースワーカーとはどんな仕事か?ケースワーカーになるには?そして気になるお給料や待遇面についても解説していきます。 ▼こちらもチェック! 将来の夢診断! あなたに合ったキャリアを探してみよう ケースワーカーとは? ケースワーカーとは一般には「福祉事務所で働く現業員のこと」を指します。「現業員」というのもあまり聞き慣れない言葉ですね。現業員は、元々は「官署・工場の現場で働く人のこと」を意味する言葉。しかし、『大辞林 第3版』では下のように定義されています。 【現業員】 福祉事務所において、家庭訪問・面接・生活指導などの現業を行う所員。面接員・ケースワーカー。(P.807より引用)
ホームレス、全国で5534人=最多は東京、前年比701人減-厚労省 厚生労働省は23日、ホームレスの人が1月時点で全国に5534人いたと発表した。前年より701人少なかった。調査を始めた2003年から減少傾向が続いており、自治体による生活困窮者向けの自立相談支援などが成果を上げているとみられる。 内訳は男性が5168人、女性196人、性別不明170人。都道府県別で最も多かったのは東京の1397人で、大阪の1303人、神奈川の1061人が続いた。東京23区と政令市で全国のホームレス数の約4分の3を占めている。 調査は東京電力福島第1原発事故の影響を受けた福島の5町村を除く全市区町村で実施。自治体職員らが公園や河川敷、路上などで生活する人を目視で確認した。(2017/05/23-17:41) 関連ニュース 【経済記事一覧へ】 【アクセスランキング】
今後ますます貧しい高齢者が増えそうだ。18年後の2035年には、高齢者世帯の約3割にあたる562万世帯で収入が生活保護の水準を下回り、貯金も不足する恐れがあるという。日本総合研究所が、5月17日に発表した「生活困窮高齢者の経済的安定に向けた課題」で論じた。 それによると、562万世帯のうち394万世帯は収入が生活保護の水準未満で、貯金が600万円に満たない「生活困窮高齢者世帯」。生活に足りない分を貯金でやりくりしているうちに残高が不足し、困窮する可能性が高い。 残りの167万世帯は「生活困窮予備軍」だ。収入が生活保護の水準を下回るが、600~900万円の貯金がある世帯などがここに含まれる。病気で入院したり、平均寿命よりも長生きするといった「不測の事態」に見舞われると、貯金が足りなくなって「困窮世帯」に転落する恐れがある。 1950年代~1960年代生まれは「老後生活に必要な資金を十分に蓄積
1963年、福岡市長浜生まれ。1990年、東京理科大学大学院修士課程(物理学専攻)修了後、電機メーカで半導体デバイスの研究・開発に10年間従事。在職中より執筆活動を開始、2000年より著述業に専念。主な守備範囲はコンピュータ全般。2004年、運動障害が発生(2007年に障害認定)したことから、社会保障・社会福祉に問題意識を向けはじめた。現在は電動車椅子を使用。東京23区西端近く、農園や竹やぶに囲まれた地域で、1匹の高齢猫と暮らす。日常雑記ブログはこちら。 生活保護のリアル~私たちの明日は? みわよしこ 生活保護当事者の増加、不正受給の社会問題化などをきっかけに生活保護制度自体の見直しが本格化している。本連載では、生活保護という制度・その周辺の人々の素顔を紹介しながら、制度そのものの解説。生活保護と貧困と常に隣り合わせにある人々の「ありのまま」の姿を紹介してゆく。 バックナンバー一覧 不安漂
1963年、福岡市長浜生まれ。1990年、東京理科大学大学院修士課程(物理学専攻)修了後、電機メーカで半導体デバイスの研究・開発に10年間従事。在職中より執筆活動を開始、2000年より著述業に専念。主な守備範囲はコンピュータ全般。2004年、運動障害が発生(2007年に障害認定)したことから、社会保障・社会福祉に問題意識を向けはじめた。現在は電動車椅子を使用。東京23区西端近く、農園や竹やぶに囲まれた地域で、1匹の高齢猫と暮らす。日常雑記ブログはこちら。 生活保護のリアル~私たちの明日は? みわよしこ 生活保護当事者の増加、不正受給の社会問題化などをきっかけに生活保護制度自体の見直しが本格化している。本連載では、生活保護という制度・その周辺の人々の素顔を紹介しながら、制度そのものの解説。生活保護と貧困と常に隣り合わせにある人々の「ありのまま」の姿を紹介してゆく。 バックナンバー一覧 当たり
岐阜市戎町のアパート一室で12日に見つかった性別不明の2遺体のうち、腐乱している状態だった1人は死後約1週間で、病死とみられることが15日、捜査関係者への取材で分かった。 岐阜中署によると、この部屋にはいずれも職業不詳の西堀ゆき子さん(63)と山下和雄さん(84)が住んでいた。西堀さんは遺体が発見される約1週間前に、自宅付近で目撃されていたといい、同署は西堀さんが病死したとみて、16日に白骨化した状態だったもう1人を司法解剖し、詳しい死因を調べる。 2人は17年から生活保護費を受給。毎月、西堀さんが市役所に受け取りに来ていたが、5月分を受け取りに来なかったため市の職員がアパートを訪問。鍵がかかっており、通報で駆け付けた岐阜中署員らが遺体を発見した。 ▼12日、遺体発見時の記事はこちら 生活保護受給の住人男女か、アパートで2遺体発見
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