子どもの貧困解決に向け、企業がシングルマザーに正社員採用の機会を提供する支援に乗り出した。仕事の技能や知識を学べる無料の講座を開き、民間団体と手を組んで暮らしもバックアップする。1期生の女性たちが今月、新たなスタートを切った。 化粧品大手「日本ロレアル」(本社・東京)が、ひとり親支援のNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」(東京)と連携し、昨秋始めたプログラム「未来への扉」。スキルアップから正社員採用の機会まで、一貫して設けているのが特徴だ。 職種は日本ロレアルの美容部員(1年目は契約社員)と、同社と協力関係にある総合人材サービス会社「アデコ」のプロジェクトリーダー職。講座は5カ月間に約20回、東京都内で日曜日に開かれる。両社の社員らが講師を務め、託児も無料。運営費は日本ロレアルが支出する。 受講者はパソコン、ビジネスマナーなど共通講座を受けた後、コース別に分かれる。美容部員なら皮膚の
日本は世界第三位の経済大国であるにもかかわらず、親世代である若者の貧困化が進んだ結果、子供の6人に1人は貧困状態にあり、かつその貧困の連鎖が止められない、という危機的な状況にあることは広く知られるようになってきた。 その中でも特に厳しい状況にあるのが、近年増加傾向にあるひとり親世帯である。厚生労働省の全国母子世帯等調査の結果によると、ここ10年ほど(平成10年度と平成23年度)で、母子世帯数は約28万世帯、父子世帯数は約6万世帯増加し、ひとり親世帯の総数は平成23年時点で約146万世帯(ひとり親世帯の約85%が母子世帯)となっている。この結果、下の図1が示すように、日本の子供の約8人に1人はひとり親世帯で生活しており、その値はOECD諸国でも平均的なものとなっている。 このひとり親世帯の増加は、政府や社会の在り方に変化を求めるものとなる。なぜなら、ひとり親世帯の増加は社会保障制度が仮定して
過去1年で必要な食料が買えなかったことがあったと回答した世帯はほぼ半数に達した。厳しい生活の中、無料の学習支援の利用を希望する声も8割に上った。 調査は、子どもの貧困対策法が2014年に施行されたことを受け、15年11月~17年2月、岩手県立大地域政策研究センターと共同で実施した。児童扶養手当の受給資格がある母子世帯にアンケートを郵送し、2857世帯中1173世帯から回答を得た。 母親の就労率は91・6%だったが、そのうち、正規雇用は42・8%にとどまり、安定した働き先を見つけることに苦労する実態がうかがえた。必要な食料が買えない経験は「よくあった」9%、「時々あった」16・7%、「まれにあった」21・7%で、計47・4%だった。 働く時間帯では、夜間勤務57・6%、早朝勤務27・9%で、子どもと過ごす時間が大きな制約を受けていた。小学生がいる家庭では、放課後、子どもが誰と過ごすかを尋ねた
厚生労働省は2017年度から、失業したひとり親の教育訓練への助成金を拡充する。雇用保険の対象の場合、現在の補助率は2割だが、ひとり親の場合は6割に引き上げ、雇用保険のないひとり親とそろえる。厚労省は失業したひとり親が
(上)赤字の責任を社員に押しつけ、障害年金を横領…働き手を使い捨てる日本社会の劣化 労働Gメンである労働基準監督官から、地域住民の相談をくみ取る町の弁護士「マチ弁」に転じた土井裕明さん。その「原点」は大学時代にあった。(聞き手 今村義丈) バイト三昧の大学時代 労働者の理不尽を経験 --労働基準監督官を務めながら弁護士に転身した 土井 実は監督官になる前から、いずれは弁護士に、と思っていたのです。監督官も、弁護士も、法律を武器に人を守る仕事で、それが職に就く動機にもなった。国家公務員試験を受ける時、法律の勉強をするでしょう? 進学した京大では経済学部でしたが、どうせ法を学ぶならとことん勉強して司法試験を目指したい、と。 --勉強が好きだった 土井 いや、実は大学時代はあまり勉強しなかったんですよ。いまは、もったいないことをしたなという反省もある。 --出身は函館(北海道)ですが、大学は京都
看護専門学校で入れ墨を理由に休学処分になったのは不当だとして、東京都内に住む20代の女性が学校を運営する医療法人に約540万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。7日に第1回口頭弁論があり、医療法人側は争う姿勢を示した。 訴状によると、女性はシングルマザーで、職業訓練の給付金制度を利用し、昨年4月に同校に入学。体を拭く演習などで服を脱ぐ必要があるため、背中などに入れ墨があることを教員に告げたところ、6月下旬から1年間の休学処分とされた。処分の通知には、入れ墨を消せば、復学を認めると書かれていたという。 女性側は、「入れ墨を消すには200万円かかり、子育てをしながら費用を捻出するのは極めて困難。事実上の退学処分だ」と主張。入学資格に「入れ墨がないこと」との規定はなく処分は不当だと訴えた。 提訴について、専門学校は「コメントできない」としている。
大阪府は18日、府内の子どもの貧困について把握するために昨年7月に実施した「子どもの生活に関する実態調査」の詳細な分析結果を発表した。困窮度はひとり親家庭や非正規雇用の家庭との関連性が高かった。さらに困窮度が高い子どもほど勉強時間が少なくなる傾向にあり、将来の進路にも影響がある可能性が明らかになった。 調査は、堺市、岸和田市、高槻市、東大阪市など府内30市町村で小学5年と中学2年の子どもがいる8千世帯に郵送し、約2600世帯から回答を得た。昨年10月に調査結果の単純集計(速報値)を発表。今回は子どもと保護者双方から回答があった2301世帯を詳しく分析した。 府は世帯所得などをもとに困窮度を四つに分類。困窮度が最も高い「困窮度Ⅰ」の286世帯のうち、ふたり親は半数以下の138世帯で、母子家庭が128世帯を占めた。最も困窮度が低い「中央値以上」の保護者は85・1%が正規雇用だったが、「困窮度Ⅰ
言語聴覚士の資格取得に向けて勉強する小林奈弓さん(右)と次男立暉さん=東京都杉並区で2016年12月4日午後3時35分、遠藤大志撮影 息子を育てた経験を生かし「サポートがしたい」 滑らかな発語が難しい吃音(きつおん)の息子を育てた経験を生かそうと、言語障害に悩む人たちを支援する「言語聴覚士」の資格取得を目指すシングルマザーがいる。2月に資格の試験に臨む東京都杉並区の小林奈弓(なゆみ)さん(47)は「自分の育児経験を生かし、吃音の子どもを持つ親のサポートもしたい」と話す。 小林さんは2003年に病気で夫を亡くし、当時3歳の長男と0歳の次男を1人で育て始めた。次男立暉(りき)さん(13)は2歳過ぎで吃音を発症した。相談機関で「愛情が足りない」と言われてショックを受け、仕事で忙しい日々を送りながらも「愛情のある子育て」に努めた。
昭和の風情を残す飲み屋が集まる「新宿ゴールデン街」(東京都新宿区)が今春、こども食堂の運営に乗り出す。対象は、近所の家庭や区内の繁華街で働く家庭の子どもたち。昨年四月の火災で寄せられた支援への感謝の意も込め、主催する街の組合は「地域とともに生きる横町をめざしたい」と準備に励んでいる。 (皆川剛) 路地に人の姿はなく、時折、外国人観光客が物珍しげにカメラを向ける。昨年十二月末、日中のゴールデン街。「ここを、子どもたちが走り回る光景を思い描いているんです」。新宿三光商店街振興組合の石川雄也理事長(43)が話す。 組合は先月の理事会で、こども食堂の開催を決めた。ゴールデン街や周辺は全国有数の繁華街。半径一キロ以内に五つの二十四時間保育所があるが、多忙のため、親子そろっての食事がままならない家庭も少なくない。そうした人たちに参加を呼びかけ、近くの家庭にも案内状を投函(とうかん)する。
ワンストップで支援&孤立予防シングルマザー向けポータルサイトをオープン 国・自治体・公共機関 シングルマザーに必要な情報と支援をワンストップで提供するポータルサイトが完成した。各種手当てなどの情報のほか、仕事や住居、相談にも対応。広範囲且つワンストップで提供するサイトは日本初。東京を中心に母子家庭の生活支援と子供の貧困の啓発を行う事業を行うNPO法人リトルワンズ(本社:東京都杉並区、代表理事小山訓久)は、ポータルサイト「ココミナ」を10月24日(月)にオープンいたしました。仕事、住居など生活に関わる情報と申し込み、行政への申請時期をお知らせ、各種手当の計算ができるほか、子育ての悩みを気軽に相談できる。母子家庭に必要な情報と支援の全てがワンストップで手に入るサイトです。 福岡県から開始し、全国に展開します。 ココミナ:https://sinmama.top/ 構想8年、完成まで2年。企業、シ
シングルマザーなどの移住を促進 北海道上砂川町は、2017年1月をめどに、旧児童館を改修してシェアハウスとしてオープンする。 移住促進が狙い。 同町の人口は現在約3300人。 年間100人ほど減少しており、歯止めをかけたい考えだ。 移住につなげるためには、働く場を提供する必要があるとの考えから、地元の民間企業の協力を得て就業体験もセットにする予定だ。 同町には女性社員が9割を占める医療用ガラス製品メーカーのマイクログラス社があることから、主に母子家庭をターゲットに据える。 体験先は、今後企業側と話し合っていく。 利用する児童館は、現在閉鎖中の旧下鶉児童館で、築33年、216㎡の平屋。 改修して定員5名の個室を3戸設け、賃料は3万円以下とする予定だ。 運営は上砂川振興公社、障害者福祉施設エルムの里などで設立する団体で行う。
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