災害時に高齢者や障害者ら弱者の命を救うための「避難行動要支援者名簿」に関する自治体アンケートでは、個人情報保護の壁で自治体が苦慮している姿が浮かび上がった。また救助された人たちが一時生活する「福祉避難所」は開設までに時間がかかり、障害者や高齢者への負担だけでなく、施設スタッフらの混乱も招いていた。1995年の阪神大震災や2011年の東日本大震災を経ても、災害弱者対策はまだまだ道半ばだ。(1面参照)【石川貴教、木村健二】 要支援者名簿を有効活用するには、消防機関や民生委員など避難を手助けする支援者に名簿情報を災害前に提供することが重要だ。提供には要援護者本人の同意を得るか、または条例で規定する必要がある。だが5割超の要援護者の事前提供ができない状況だ。本人同意を得る作業が膨大で、自治体の大きな負担になっていることが背景にある。 この記事は有料記事です。 残り2513文字(全文2881文字)
1963年、福岡市長浜生まれ。1990年、東京理科大学大学院修士課程(物理学専攻)修了後、電機メーカで半導体デバイスの研究・開発に10年間従事。在職中より執筆活動を開始、2000年より著述業に専念。主な守備範囲はコンピュータ全般。2004年、運動障害が発生(2007年に障害認定)したことから、社会保障・社会福祉に問題意識を向けはじめた。現在は電動車椅子を使用。東京23区西端近く、農園や竹やぶに囲まれた地域で、1匹の高齢猫と暮らす。日常雑記ブログはこちら。 生活保護のリアル~私たちの明日は? みわよしこ 生活保護当事者の増加、不正受給の社会問題化などをきっかけに生活保護制度自体の見直しが本格化している。本連載では、生活保護という制度・その周辺の人々の素顔を紹介しながら、制度そのものの解説。生活保護と貧困と常に隣り合わせにある人々の「ありのまま」の姿を紹介してゆく。 バックナンバー一覧 前回は
奈良県1月9日発表によると、地域福祉推進係担当による、介護老人保健施設・障がい者支援施設などを見学するツアーが開催される。 福祉や介護の職場に興味・関心のある人が、福祉・介護の職場がどんなところか、利用者はどのような生活をしているのか、現場にはどのような職員が働いているのかなどが見学できる。また、施設の利用者や職員と交流できる時間も準備されている。 日時は、2016年2月6日(土曜日)、9時20分~16時30分。訪問施設は、医療法人 翠悠会・介護老人保健施設「オークピア鹿芝」、社会福祉法人 以和貴会・障がい者支援施設「ゆらくの里」ほか。 集合場所は、近鉄大阪線「五位堂」駅、北側駅前ロータリー。参加費は昼食代として500円(集合場所までの交通費は自己負担)。定員は先着順で20名。 服装は動きやすいものとし、歩きやすい靴で参加、持ち物は筆記用具・ハンドタオル・水筒(ペットボトルも含む)。 募集
障害者の避難所としての開放が検討されている静岡流通会館の室内。耐震補強工事は既に完了している=12月中旬、静岡市葵区 静岡流通センター(静岡市葵区、伊藤哲理事長)は21日までに、南海トラフ巨大地震などの大規模災害時に、センター内にある組合員の拠点施設「静岡流通会館」を障害者の避難所として開放する方向で検討を始めた。地元の要望を受け、協力方針を決めた。障害者や高齢者らが災害時に避難する「福祉避難所」は、県内でも自治体が福祉施設、学校などを指定するケースがほとんど。商工業関連の施設が検討されるのは異例で、市が今後、実際に活用可能かなどを調べる。 同センターによると、静岡流通会館は鉄筋コンクリート造り4階建て。このうち1階の会議室(90平方メートル)、2階の展示室(343平方メートル)と会議室(110平方メートル)、3階の和室(110平方メートル)の開放を検討している。1999年に耐震補強工事
鹿児島県 鹿屋 ( かのや ) 市の国立ハンセン病療養所「星塚敬愛園」が、障害者支援施設を園内に誘致することを決めた。高齢化で入所者の減少が続く中、空き地を有効活用し、地域との共生を図るのが狙い。近く社会福祉法人と土地の貸借契約を結ぶ予定で、2017年春の開設を目指す。 敬愛園などによると、貸し出すのは職員宿舎跡地の6400平方メートル。計画では、公募に応じた同県 肝付 ( きもつき ) 町の社会福祉法人「天上会」が、町内で運営し、20~70歳代が生活する障害者支援施設「新樹学園」(入所定員45人)を移転させるという。土地の貸付期間は16年4月から50年間、貸付料は年67万3000円の見通し。 敬愛園の入所者はピーク時の1割の約160人で、平均年齢は85歳。09年4月に施行されたハンセン病問題解決促進法は、入所者の孤立化を防ぐことなどを目的に、療養所の地域開放を可能にした。熊本県 合志 (
合理的配慮等具体例データ集について 障害者差別解消法は、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成28年4月に施行されました。このページでは、合理的配慮等の具体的な事例をご紹介します。 合理的配慮は、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的場面や状況に応じて異なり、多様かつ個別性の高いものです。建設的対話による相互理解を通じて、必要かつ合理的な範囲で、柔軟に対応がなされるものであり、本データ集に事例として掲載されていることを以て、当該事例を合理的配慮として提供しないことがただちに法に違反するもの(提供を義務付けるもの)ではない点にご留意ください。 御利用にあたって 参考事例集は、合理的配慮や不当な差別的取扱いの具体例だけではなく、いわゆる事前的改善措置・
障害者への合理的配慮って? 内閣府が事例検索サイト立ち上げ 2015年12月15日 福祉新聞編集部 「合理的配慮サーチ」のホームページ 内閣府は4日、2016年4月に施行する障害者差別解消法に関連し、合理的配慮の具体例を検索できるウェブサイト「合理的配慮サーチ」(http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jirei/index.html)を立ち上げた。キーワードを入力すれば参考事例集にたどり着ける。 事例集は「視覚障害」「聴覚障害」といった九つの障害種別ごと、「教育」「公共交通」といった七つの生活場面ごとに一覧することもできる。中央省庁、地方公共団体、民間団体が作成したもので、一つひとつに目次や概要が示される。事例集本体もダウンロードしたりできる。 13年6月に成立した同法は障害を理由に差別することを禁じ、障害者に合理的配慮を提供することを行政機関に義務(
国の障害福祉サービスを利用する障害者が65歳になると、原則として1割負担の介護保険サービスに切り替わる制度について、切り替え手続きが完了していなくても障害福祉サービスを打ち切る自治体が全国に少なくとも134あることが、NPO法人日本障害者センター(東京都新宿区)が実施したアンケートで分かった。65歳を超えても手続きをするまで障害福祉サービスを継続する自治体も286あり、対応の差が浮き彫りとなった。 障害福祉サービスは、障害者総合支援法に基づき障害者らが居宅介護などを受けられる制度。9割が自己負担なしで利用している。65歳以上は原則として介護保険を優先利用するよう定められているが、切り替えでサービスの量や質が変わることに批判が出ていた。 この記事は有料記事です。 残り376文字(全文698文字)
厚生労働省 厚生労働省は11月27日、障害福祉サービスの利用者が65歳になり介護保険サービスの利用に移った結果、自己負担が約9倍に増えたとする調査結果(中間報告)を明らかにした。同日の社会保障審議会障害者部会に報告した。厚労省は、65歳を超えると介護保険の利用を優先する原則を維持する方針。障害者総合支援法の見直し議論では、高齢障害者の問題が大きな論点になっている。 調査は今年7~8月、全国1741市区町村に実施。11月までに889の自治体から回答があった。その結果、2014年度中に障害福祉サービスの利用を終え、介護保険利用を開始した1764人の実態が分かった。 それによると、介護保険への移行前の月の平均自己負担額は767円。これに対し、介護保険への移行翌月の平均自己負担額は7183円だった。 1764人の障害種別の内訳は「身体障害」(62%)、「精神障害」(20%)、「知的障害」(10%)
シリーズ「等身大のアフリカ/最前線のアフリカ」では、マスメディアが伝えてこなかったアフリカ、とくに等身大の日常生活や最前線の現地情報を気鋭の研究者、 熟練のフィールドワーカーがお伝えします。今月は「等身大のアフリカ」(協力:NPO法人アフリック・アフリカ)です。 アフリカ中部の大河コンゴ川を挟んで対位するコンゴ民主共和国(旧ザイール)の首都キンシャサとコンゴ共和国の首都ブラザヴィル。4キロメートルの川幅で隔てられた、世界で最も近接した二つの首都のあいだでは、川を渡ってたくさんの人や物が行き来している。 この両都市の港に、「商売の王さま」と称される障害者集団がいる。国内外での紛争を経験した両コンゴにおいて、目や肢体の不自由を抱えた人びとが、国境をまたいだビジネスを展開しているのである。 読者のなかには、ドキュメンタリー映画にもなった「スタッフ・ベンダ・ビリリ」と呼ばれる、下半身マヒを抱えた車
徳島市で10月、視覚障害者の男性(当時50)がバックしてきたダンプカーにはねられて死亡した事故を受け、徳島県は12月1日開会の県議会に、バックの警報音を鳴らす装置が車にあれば使用するよう義務づける条例案を出す方針を決めた。日本盲人会連合(東京)によると、こうした条例を都道府県が設けるのは初めて。 「障がいのある人もない人も暮らしやすい徳島づくり条例案」に盛り込む。障害者の事故のリスクを広く理解してもらうことなどをうたい、盲導犬を連れた障害者の通行を妨げないよう運転者に配慮を求める努力規定も定める。いずれも罰則はない。 事故では男性が連れていた盲導犬も死んだ。ダンプの警報音装置のスイッチが切られていた。現行の法令では警報音の装置を車に搭載したり、鳴らしたりする義務はない。県は10月、道路運送車両法や道路交通法を改正して義務づけるよう国に求めていた。
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