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ブックマーク / tobi-2.hatenadiary.org (4)

  • 2009-03-21 - 題材不新鮮 SF作家 飛浩隆のweb録

    書きかけでほっぽってあったメモ。 伊藤計劃『ハーモニー』について。 以下は初読後のメモ。まだ読み返していないので。 立場上、国内SFのレビューは年末以前には発表しないことにしていますが、これはただのメモであって、レビューではありません。 読み間違いは沢山あると思います。コメントは歓迎します。 * かつて文学は、リッチなスタンドアロンたる「人間」を描くものだった。 しかし伊藤計劃の『ハーモニー』以後、この見解は少なからず修正を迫られるだろう。この作品で、演算能力とアプリケーションとストレージの大半をクラウドに明け渡した「シン・クライアントとしてのヒト」がはじめて――と同時に極限まで――描かれてしまったからには。 ヒトが、ネットワークのクライアントであることに価値をみとめられ尊ばれる世界。書で描かれる高度保健福祉社会の様相は、奇妙なくらい企業内LANに似ている。ヒトはリソースとして尊ばれ、約

    2009-03-21 - 題材不新鮮 SF作家 飛浩隆のweb録
  • 「エンジン・サマー」(ジョン・クロウリー) - 題材不新鮮 SF作家 飛浩隆のweb録

    エンジン・サマー (扶桑社ミステリー) 作者: ジョンクロウリー,John Crowley,大森望出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2008/11メディア: 文庫購入: 37人 クリック: 234回この商品を含むブログ (103件) を見る待望久し……。飛は最初の翻訳を所有していますが、長らく入手困難であったこの名作が装いも新たに(カバーアートは以前のものと同じものですが)刊行されました。 訳者のホームページから「訳者あとがき」の冒頭部を無断で転載、 たいへん長らくお待たせしました。ジョン・クロウリー初期の代表作、Engine Summer (1979) の邦訳文庫版をお届けする。訳者の贔屓目かもしれないが、"永遠の名作"という言葉は、たぶんこういう小説のためにあるんじゃないかと思う。文明崩壊後のはるかな未来を背景にした、かぎりなく美しく切ない青春SFの傑作である。 時はいまから千年ほ

    「エンジン・サマー」(ジョン・クロウリー) - 題材不新鮮 SF作家 飛浩隆のweb録
  • 「崖の上のポニョ」(宮崎駿) - 題材不新鮮 SF作家 飛浩隆のweb録

    というわけで、また子ども連れで行ってまいりました。ジブリ映画を小屋で観るのは、「もののけ姫」以来かなあ。 いや、期待通り画面の隅から隅まで素晴らしい。色といい動きといい、もう目ン玉のほっぺが落ちそうです(日語が変です)。 今回は迷路構造物は出てこないんですが、その分、舞台となる港町の構築がさりげなく御馳走。 飛は映画小説を評するときの「世界観」って言葉が大嫌いなんですが、そういうことにこだわる人には安心して観ていられないかも知れないですね。お気の毒。とはいえ巷間いわれるほどお話しが破綻しているとかいい加減ということはなく、「ハウル」なんかにくらべればごく真っ当なシノプシスで、飛には何の不満もありません。作者は、「カリオストロ」みたくすき間にカミソリの刃一枚入らないほど建て付けのいいシャシンを作る気は、もうないんですから。(とはいえ設定やテーマの埋め込みなどはかなり手の込んだことがされて

    「崖の上のポニョ」(宮崎駿) - 題材不新鮮 SF作家 飛浩隆のweb録
  • Laterna Magika SF作家 飛浩隆のweb録 - 極楽デビュー作三連発

    Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) 作者: 円城塔出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/05/01メディア: 単行購入: 11人 クリック: 362回この商品を含むブログ (260件) を見る SF書きの人たちが陸続と長篇でデビュー中。しかもめちゃめちゃレベル高っ。すごい活況です。 いやほんとうにいい時代ですねえ。(飛みたいなリタイア直前のロートルは、危機感も薄めでありまして、わりと余裕で模様眺めをしておりますですよ。) まずは、何はさておき話題沸騰の黄表紙『Self-Reference ENGINE』。 飛は書の帯の文を書かせていただくという栄誉に預かっておりますが、しかし、版元から送ってきたゲラの冒頭3ページ読んだだけで「これはいったいどう紹介すればよいのか」と頭をかかえました。まあ想像してみてください、わずか200字でこ

    Laterna Magika SF作家 飛浩隆のweb録 - 極楽デビュー作三連発
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