献本いただく。どうもありがとうございます。荻上さんが震災直後からデマの類を収集、そしてその分析や対処法などを継続して取り組んできたのは多くの人が知っていることだと思います。 本書はその代表的なサンプルを紹介しながら、デマ・流言の分析の原論的な特徴ももっている日本でもいままでにない著作になっています。例えば清水幾多郎やCass Sunsteinらの業績もサンプルが少なく、具体的なイメージに欠けるのですが、荻上さんの本はその点で類書をはるかに上回っています。 「流言中和ラグ・ギャップ」の説明はとても斬新。 流言を中和するには、早ければ早いほどいい。流言中和ラグを最小化することで、その悪影響もまた最小化することが目指されます。ただし、単に流言を早く否定するだけではダメで、その中和情報を、より多くの人に届けなくてはなりません。 とありますが、この前後の分析は本当に客観科学としても秀逸。 後半のいく