日本国と国民統合の象徴とされる天皇の代替わりから、間もなく5年。皇族が減り、皇位継承問題が再び議論となるなか、近代天皇制を研究してきた政治学者の原武史さんは「象徴」の意味を問い直すよう訴えてきた。メ…
東京や関西の通勤電車と新幹線以外、鉄道のない日本になるのか――。国土交通省の有識者検討会が7月、ローカル線に関する提言をまとめました。政府主導で自治体などの協議会を設置し、鉄道存続かバスなどへの切り替えかなどを検討するよう求めています。JR各社も赤字路線の区間別収支を発表するなど、ローカル線への向かい風は強まるばかり。本当にこれでいいの? 鉄道の歴史に詳しい政治思想史研究者、原武史放送大教授に聞きました。【聞き手・鈴木英生】 函館本線で楽しむ、啄木が見た風景 先日、JR北海道の函館本線、長万部-札幌間に乗車した。北海道新幹線の延伸に伴い2030年度で廃止されると事実上決まった同線長万部-小樽間(140・2キロ)が、今どうなっているかを確かめるためだ。 乗って驚いた。1両編成のディーゼルカーは席が埋まり、立っている客もいたからだ。 同線は1905年に全通した北海道最古の主要幹線で、長万部―小
知的・精神障害がある大阪市内の男性(当時36歳)が自治会の役員らに障害者であることを記した書面を書くよう強要され、自殺したとして、男性の両親が自治会と役員らを提訴した問題。専門家に具体例を紹介してもらい、背景を考えるシリーズ3回目は40代半ばまで大規模団地で暮らし、団地について考察した著書も多い政治学者の放送大教授、原武史さんに聞きました。【大迫麻記子/統合デジタル取材センター】 団地という地域共同体の負の面が出た 今回の問題は、市営住宅で起こった。班長をくじ引きで決めていたが、自殺した男性は障害を理由にくじ引きから外してもらうように役員に頼んだところ、例外は認められないとして障害を書いて皆に回すといわれたという。 「団地というのは、部屋の間取りはもちろん、コンセントの位置まで同じで、冷蔵庫や洗濯機を置く位置も同じだったりします。そうすると、そこに住んでいる人たちの生活は、一日のサイクルが
「ステイホーム」を続ける天皇昨年5月1日に新天皇が即位して、1年半が経とうとしています。 改元前の昨年3月に上梓した拙著『平成の終焉』において、私は「ポスト平成の皇室が平成と全く同じということはあり得ません」と書きました。この予測は結果として当たりましたが、それは令和の天皇と皇后が主体的に変えたからではありませんでした。コロナ禍という外部的な要因によって、好むと好まざるとにかかわらず、変わらざるを得なくなったからです。では具体的にどう変わったのでしょうか。 現時点での「令和の天皇像」は、端的に表現するならば「動かない天皇」と言えるでしょう。「動かない」のではなく「動けない」といったほうが、より正しいかもしれない。 感染拡大予防のため、憲法の定める「天皇の務め」たる国事行為すら十分に行うことができず、多くの公務が不可能になっています。2月23日、即位後初の誕生日の一般参賀は中止となりました。
原武史氏のツイートより。 いま政府自民党の脳裏にあるのは、あれだけの反対があったにもかかわらず、5月に安保改定を強行採決し6月に新条約を自然成立させたら、もう反対の波はすっかりおさまり、11月の総選挙で自民党が大勝した1960年の政局ではないか。 — 原武史 (@haratetchan) 2021年6月1日 どうだろう。菅義偉は当時まだ小学校6年生だったから、そんなこと覚えてないのではないか。 それより現在に近いのは、このあとの2件の原氏自身のツイートも反映させている1945年だろう。 朝からNHKがオリンピック開催を文字どおり叫ぶ「専門家」を登場させて大プロパガンダ放送をやっていた。 — 原武史 (@haratetchan) 2021年6月1日 この「専門家」というのは、菅が感染症対策調整会議に入れたという専門家2人のうちのいずれかなのだろうか。この2人の実名は民放テレビのニュースでも報
埼玉の過去と未来にこそ、オルタナティブな日本の姿があるのかもしれない。 近年では映画『翔んで埼玉』の大ヒットも記憶に新しい埼玉。映画では誇張して描かれる埼玉への「ディス=自虐」が埼玉県民を含む世間に大ウケしたしたわけだが、そんなイメージの裏に潜む日本近代史のオルタナティブな姿とはいったいどのようなものなのか。そして埼玉からこそ見えてくる日本の未来とは――。 ともに「埼玉」と浅からぬ縁を持つという政治学者・原武史と建築家・藤村龍至を東浩紀が迎え、埼玉について語りつくすイベントがゲンロンカフェで行われた。第1部では原を中心に埼玉の過去が深く掘り下げられ、第2部では藤村が埼玉の未来を熱く語った。その模様をレポートする。(ゲンロン編集部) 埼玉は二度「負けた」のか なぜ埼玉なのか。東はイベント企画の趣旨を以下のように説明した。 原の著書に、神道思想史の研究から近代日本の裏側に迫った名著『〈出
昭和天皇と側近たちとの詳細なやり取りを記録した「昭和天皇拝謁記」。貴重な史料からは、政局や社会情勢、戦争について饒舌に語る昭和天皇の等身大の姿が浮かび上がる。歴史上はじめて象徴天皇となった人物の言動とは、いったいどのようなものだったのか。私たちにとって「象徴」とは何なのか。第一人者による天皇論。 序 章 『昭和天皇拝謁記』とは何か あらわになった昭和天皇の肉声 「拝謁記」が書かれた時期 『拝謁記』の読みどころ 本書の構成 第1章 天皇観 退位もあり得ると考えていた 退位しないと再び立場を変える 「おことば」での決意表明 過剰な警備に対する批判 巡幸と一般参賀 天皇の象徴観 教育勅語はあったほうがよい 第2章 政治・軍事観 天皇の民主主義観 政党政治に対する不信感 保守政党の大同団結を提言 社会党右派への期待 議席ゼロになっても安心できない共産党 後期水戸学のキリスト教認識との類似点 朝鮮人
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平成の終焉 (岩波新書) 作者:原 武史岩波書店Amazon まず、この本ということでなく新書全体に言えるのだが「令和になって、いい時代だねえ」とつくづく思うのは 各社の新書において(特にブックウォーカー―のページ数が多いと思う)、「試し読み」がネット上にあり、その範囲でだいたい「序文」「前書き」は読める、という時代になっているのです。 この本も bookwalker.jp やはり前書き、序文は著者の意気込みもあらわれるし、ぶっちゃけこれを読んで購入・非購入を決める人もいるから商業的な思惑もある。 この本はこうだよ!!とプレゼンテーションをする意欲にあふれてるのだ。 だから、 「新書刊行情報を公式Xアカウントなどで得る」⇒「ブックウォーカーに飛んで書名を検索、前書き・序文を読んでみる」というのを、一つの趣味としてお勧めしたい。 そして自分は新書の内容も、覚えておきたいことはメモするけど、こ
一九三三年、私は「天皇」と同じ日に生まれた―東京オリンピックの前年、男は出稼ぎのために上野駅に降り立った。そして男は彷徨い続ける、生者と死者が共存するこの国を。高度経済成長期の中、… 一九三三年、私は「天皇」と同じ日に生まれた―東京オリンピックの前年、男は出稼ぎのために上野駅に降り立った。そして男は彷徨い続ける、生者と死者が共存するこの国を。高度経済成長期の中、その象徴ともいえる「上野」を舞台に、福島県相馬郡(現・南相馬市)出身の一人の男の生涯を通じて描かれる死者への祈り、そして日本の光と闇…。「帰る場所を失くしてしまったすべての人たち」へ柳美里が贈る傑作小説。 排除される側も巻き込む天皇制その男の人生に、天皇や皇后は大きな影を落としていた。そもそも生まれたのが現天皇と同じ昭和8年。妻の名は貞明皇后の名と同じ漢字の節子。息子が生まれた日は、現皇太子と同じ昭和35年2月23日だった。 男は、
日本国と国民統合の象徴とされる天皇の代替わりから、間もなく5年。皇族が減り、皇位継承問題が再び議論となるなか、近代天皇制を研究してきた政治学者の原武史さんは「象徴」の意味を問い直すよう訴えてきた。メディアでの発言も多いが、当人いわく、その内容はおおかた無難に編集されてしまうという。ならば、自粛も禁忌(タブー)もなしで論じてもらおう。 「平成流」と対照的な令和の天皇像 ――この5年間、「象徴」のあり方に変化は見られますか。 「平成期とは対照的な天皇像が定着しつつあります。端的に表現するなら『動かない天皇』とでも言えばよいでしょうか」 「今回の能登半島地震で、天皇は今のところ現地入りしておらず、2月23日の誕生日会見まで目立ったメッセージも発しませんでした。もちろん訪問可能かどうか宮内庁が慎重に見極めている段階でしょうし、天皇、皇后ともに被災状況の把握に努め、見舞金を送るなどはしています」 「
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