いじめの社会理論―その生態学的秩序の生成と解体 内藤 朝雄 いじめの研究書はこれまでいくつかあったが、思想レベルに高めたのはこの書がはじめてなんだろう。そしていじめは学校だけの問題ではなくて、会社や地域などのどこにでもある社会問題として新たに設定しなおすべきとした問題提起の書でもある。 この本はアカデミズム向けに難解な箇所は数多くあるのが残念であるが、その合間を縫ってわかりやすいところもいくらかある。なによりも著者のいじめ問題解決への確信と断定口調がこの本にはみなぎっている。有用な箇所を引用したい(ながい引用になったが、そのままの文章のほうがわかりやすいと思うので)。 「現代の日本社会では、多くの人々が(機能集団ではなく) 共同体への人格的献身として学校や会社への参加を強いられ、人格的自由あるいはトータルな人間存在を収奪され、きわめて酷いしかたで隷属させられるといった事態が生じた。 ……国
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