丹羽宇一郎・駐中国大使は1日、自民党の外交部会に出席し、中国で「茉莉花(ジャスミン)革命」の呼びかけが相次いでいることについて、「ジャスミン革命が中国で起きる可能性は個人的にはないと思っている」と述べた。 丹羽氏はその理由として中国で経済成長が続いていることを挙げ、「今の生活を壊してまで政権を倒そうという情熱、意欲は、中国の今の国民にはない」と指摘。「ジャスミン革命のようなことは中国では期待をされない方がいい」との見方を示した。 一方で都市と農村の経済格差、共産党幹部の腐敗、不動産価格の高騰などの問題を列挙し、「(中国の)国民の不満が爆発して体制に深刻な打撃を与えかねない。ジャスミン革命のような動きが広がっていて中国の指導部は大変気にしている」とも語った。中国当局のインターネットの取り締まりについては「やや過剰だ」と話した。(山口博敬)