サッカーの本田圭佑選手が「プロフェッショナル=ケイスケ・ホンダ」だと語っていたが、定着するにはまだまだ時間がかかるだろう。ただ将棋界で「努力」という単語で、誰を想像するかと問われたら、10人中10人が「永瀬拓矢」だと答える。プロ棋士のみならず、将棋に詳しい者なら誰もがだ。 そんな「努力を続ける才能」を持つ永瀬七段でさえ、羽生竜王、渡辺棋王という百戦錬磨の強者に阻まれ、未だタイトルには届いていない。しかし本人は至って冷静そのもので、足りない部分を分析し、明日に繋げようと再び努力を重ねている。羽生世代へのこだわり、将棋の理想的な最終型、藤井聡太七段の強さ…連載第二回は、永瀬七段ならではの独特な「将棋観」をたっぷり堪能いただきたい。(編集部) 永瀬拓矢(ながせ・たくや)七段 1992年生まれ。神奈川県横浜市出身。安恵照剛八段門下。2004年、6級で奨励会に入会。09年、四段。12年、五段。加古川