たゆたえども沈まず この言葉は、1986年2月、ヨーロッパに行く前に読んだエールフランス航空のガイドブックに書いてありました。(このガイドブックのことは、2003年に掲載した「百の書物よりも1本のワインの中に哲学がある」のページにも書いています) まず、「たゆたえども沈まず(Fluctuat nec mergitur.) 」の言葉の元々は、帆をいっぱい張った船が描かれているセーヌ川水運組合の紋章からだそうです。銘文はラテン語で書かれています。その後、パリ市の紋章になったようです。 この言葉の「たゆた」とは、国語辞典では「心が不安で揺れ動き、定まらないでいるさま」の意味です。私はラテン語は全くわかりませんが、この日本語訳はなんか万葉集に出てくるような響きもあり、短いながらもなかなか味わい深い言葉だなあと思いました。 船乗りさんたちの組合ですから、「船が揺れるのは、まあ、しょうがない。