先月末以来、私がデザインした「マスコットくん」が騒ぎになっておりますことを恐縮に存じます。生みの親まで思わぬ事態に巻き込まれて、いささか困惑しながらも、さまざまなことを考えるいい機会になったと思っています。 今回のことによって、芸術活動やその成果物に対する第三者の評価について、臨場感をもって思いめぐらすことができたことは僥倖でした。 また、いままでご縁のなかったネット社会の一面を垣間見て、びっくりしたのも事実ですし、ジャーナリズムの素材がその仮想社会から集められ、冷静な分析がおこなわれることなく数字や言葉が先行して報道されていることの怖さも感じました。 そしてなによりもこころを痛めたことは、口にするのも憚られる言葉の刃を、見ず知らずの相手に匿名で大量に投げつけるというネット社会の暗部を知ったことでした。 感情の歯止めが利かない小中学校のいじめが、仮想社会で成長して、現実の社会に溢れてきたと