ネットで大ブレイク中でここオルタナティブ・ブログでも幾度となく(*1)取り上げられている初音ミクであるが、実は思うところがあって、ニコニコ動画上でずっと継続的に作品を追っかけている。 既に2000個以上になった膨大な初音ミクネタの動画を見ながらいったい何を分析しているかというと、ニコニコ動画でのネタや技術の発展過程を進化として捉えるとともに、ああいったオープンなコミュニティにおける作品の制作過程において集合知的な要素がどう作用しているのかをみているのだ。前半はその初音ミクのここ最近までの進化過程をひとしきり解説し、後半{エントリーが長いのでジャンプ用のタグを挿入}で進化のポイントを分析してみた。 初音ミクの製品発売後ちょうど1ヶ月が経過した。一時期品薄になったようだが、このところそれも改善されて欲しい人の所に行き渡り、その結果ニコニコ動画に掲載される初音ミク作品は週末ともなると1日に200
ダウンロード違法化/iPodの補償金対象化」がほぼ決定した件と、ITmediaの記事で抜粋されている発言についての補足 考え込んでしまう。 表現というものは2つの立場が揃ってはじめて成立する。 表現する者と、それを鑑賞する者だ。どちらかが欠けても成り立たない。 文化庁は権利強化の方向にまたもや動き出したみたいで、それは表現の敷居をあげるという意味で大変残念な話。 権利団体や音楽会社を責めるのは簡単だ。意味も分からず「カスラックは死ね」って言ってる人沢山いるでしょ?それは一面では当たりで彼らも責められるところもあると思うが、でもこの状況はJASRACだけが悪いわけじゃない。 もう1つ責めないとならないものがあるでしょ。受け手。鑑賞者、消費者、ユーザー。名前は何でもいいけど、その作品を受け止める側に何か問題があるとは考えないだろうか? 例えば、アフィリエイトやPV稼ぐ目的で、勝手に他人の権利物
市場の力と、権利者削除の力 の続き。 ↑の記事ではまだまだニコニコの著作権関連の問題は予断を許さないということを強調しましたけど、最近楽観的に見れる要素が多くなってることも事実なんですよね。 例えば、同じ権利者であっても作品や動画によって黙認/削除の対応を変えたり、それどころか同じ作品でも音源がショートバージョンならOKなんて基準まで出来てきている。*1スパイダーマンは紆余曲折の末に元画像を使わないことが絶対条件ということで落ち着いたみたい。それだけではなく、他の権利者削除のタイミングを冷静に眺めてみると「CD/DVD発売に合わせて削除」「放映が終わったら削除」など、かなりフレキシブルな感じの削除基準が見えてきます。権利者がここまではOK、ここからはNGという暗黙の線引きをしはじめているんですね。 この動きは権利者がニコニコ動画に対して多少なりとも利用価値を見出しはじめたことの一つの証拠に
動画共有サイト「YouTube」が6月19日より多言語に対応した。日本語版サイト「YouTube Japan」を含め9カ国でローカルサイトを開設したことを、この日パリで開かれたイベント「Google Press Day」でYouTube創業者の2人--CEOのChad Hurley氏とCTOのSteve Chen氏が発表した。 この発表直後にはGoogleの日本オフィスでもパリと中継して、この2人の創業者との会見の場が設けられた。Chad Hurley氏とSteve Chen氏に加えて、YouTube Product ManagerのSakina Arsiwala氏、Communications Senior ManagerのJulie Supan氏が報道陣からの質問に答えた。 ――サーバは9カ国に置いているのでしょうか Chen氏:サーバはエンジニアチーム、アーキテクチャチームが担ってお
裁判所のWebサイトにアップされました(判決文, 別紙1) ゆっくり読んでる時間がないのでまずは気になった点だけ。 1. 争点は複製と自動公衆送信の主体が誰であるか(ユーザーかサービス業者か)のみであり、私的複製か否か(コメント欄の指摘により追加: ストレージ・サービスが30条1項1号の自動複製機器にあたるのか否か)は争点となっていません 2.CDのアップロードと携帯電話形式への変換の専用ソフトが業者側から提供されている点が、サービスが業者の管理下にあり業者が複製・送信の主体であると判断された点で大きいようです 3.このサービスはパスワードを他人に教えれば他人の携帯でも音楽ファイルをダウンロードできてしまうというダダ漏れサービスではなくしっかりと認証処理を行なっているようです。しかし、それでも裁判所の判断では、「本件サーバに蔵置した音源データのファイルには当該ユーザしかアクセスできないとし
ネット上のストレージに、自身の購入した著作物をアップロードし、それを携帯電話のいつでもダウンロードすることができる、というサービスの提供が著作権侵害にあたるのかどうか、という裁判で、サービスの提供者側が著作権を侵害している、という判決が下されたよ、というお話。ちょっと勘違いしそうな部分もあるけれども、この裁判はJASRACが起こしたものではなく、このサービスが著作権侵害だとしてサービスの差し止めを求めたJASRACの主張は誤りであるということ確認するため、このMyUtaというサービスを提供していたイメージシティという会社が起こしたもの。 何がどうなれば著作権法違反なのかが、あまりに見えないので、このイメージシティの提供していたMyUtaサービス開始時のNikkei BPNetと毎日新聞のMSNニュース、JASRACのプレスリリース、nikkansports.comの記事を元に、私なりに整理
自分のCDをリップして、アップロードし、自分の携帯電話にダウンロードできる(他人の携帯電話にはダウンロードできない)というストレージ・ホスティング・サービスが著作権侵害を構成するという判決が東京地裁でなされました(参照記事)。 判決文がまだ裁判所のサイトにアップされてませんので、報道内容から推定して検討します。 「システムの中枢になるサーバーは同社が所有、管理しており、同社にとってユーザーは不特定の者。複製と公衆(不特定多数)への送信の行為主体は同社だ」 ということで、いわゆるカラオケ法理が適用されたということのようです。 要は、「自分が所有する著作物を自分が使用するためだけにストレージ・サービスに許諾なくアップすると著作権侵害である」ということになります。 解釈論の話はさておき、現実的妥当性という観点から見るとこれは非常によろしくない判決ではと思います。この判決では、音楽の著作物だからと
オンラインストレージサービス、わかりやすく言うと、Yahoo!の運営する「Yahoo!ブリーフケース」とかジャストシステムが運営する「インターネットディスク」とかKDDIが運営する「セキュアシェア」とか、そのほかにも「ファイルバンク」とかNTT東日本の「フレッツ・ドット・ネット」もアップルの「.Mac」もみーんなまとめて「著作権侵害で違法」だそうです。不特定多数で共有できなくても、たった一人の特定ユーザーしか利用できなくても違法です。 もはやあきれて言葉が出ませんが、東京地裁(髙部眞規子裁判長)は2007年5月25日、こういった不特定多数にダウンロードを許可するのではなく、特定のユーザーしか保存できないしダウンロードできない「MYUTA」という携帯電話向け音楽データのストレージ・サービスに対して著作権侵害に当たるとの判断を示しました。音楽著作物の利用許諾が必要だそうです。 つまり、オンライ
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