この国には領土と主権を守る気概があるのか──日本はこれまで以上に、この問いを突き付けられている。 尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で、中国の圧力に屈する形で船長を釈放した9月24日は日本にとって「国辱の日」となった。そして11月1日、日本の腰砕けの対応に乗じる形でロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領が北方領土・国後島を訪問。日本が固有の領土と主張するこの島をロシアの最高指導者がわが物顔で視察したことで、日本国民はわずか1カ月余りの間に2度も屈辱を味わった。 日本の周辺国が領土的野心を燃やしていることは、驚くべきことではない。何しろ、世界各国がエネルギー資源をめぐって熾烈な争奪戦を繰り広げている時代だ。また、西岡武夫参院議長が言うように「哲学も理念も方針もない」菅直人政権の無策ぶりが、周辺国に付け入る隙を与えた側面もあるだろう。 人材の先細りも一因だ。日本は「政治とカネ」の問題で、中国やロ