東京大学(東大)は、同大らの研究グループが、睡眠中に海馬の神経回路がどのようにクールダウンされるのかを明らかにしたことを発表した。 この成果は、東大大学院薬学系研究科の池谷裕二教授、理化学研究所(理研) 脳科学総合研究センターの藤澤茂義氏、マックスプランク脳科学研究所研究員の乘本裕明氏(元:東京大学大学院薬学系研究科 大学院生/元:理化学研究所 基礎科学特別研究 員)によるもので、2月8日の「Science誌」(オンライン版)に掲載された。 海馬が学習や記憶に関わっていることは知られているが、神経細胞の数には限りがあるため、そのままでは脳内が記憶情報で飽和してしまう。そのため何らかの「クールダウン」の機構が海馬に備わっていると長らく予想されていた。 このたび研究グループは、生体動物および「sharp wave ripple(以下、SWR)」を発生する特殊な脳スライスを用いることで、 SWR
<英ケンブリッジ大学の研究チームが、アルコールの摂取がDNAを損傷して、がんのリスクを高めると発表した> アルコールがDNAを損傷 1年で最もお酒を飲む機会が多くなると思われる年末年始のこの時期、お酒を愛する人たちにとって気になるニュースが報じられた。アルコールが、DNAを損傷してがんのリスクを高めるというのだ。英ケンブリッジ大学のケタン・パテル教授率いるチームが、英MRC分子生物学研究所で行なった研究について、科学誌「ネイチャー」に発表した。 これまでも、アルコールの摂取ががんのリスクを高めることは指摘されてきた。アルコールを摂取すると、分解する過程でアセトアルデヒドが生成される。このアセトアルデヒドがDNAを損傷することは、培養細胞を使った研究で確認されていたのだ。しかしそのメカニズムははっきり分かっていなかった。今回初めて、パテル教授のチームがマウスを使い、生きている臓器の反応を確認
ピロリ菌感染は胃がんの原因の一つである。主な原因であると言っていい。ピロリ菌が胃がんを引き起こすメカニズムもだいぶ明らかになっているが、よしんばメカニズムが不明であっても、疫学研究からピロリ菌と胃がんの因果関係は証明されている。 ただ、ピロリ菌感染が胃がんの原因だと言っても、ピロリ菌に感染していなくても胃がんになる人もいれば、ピロリ菌に感染していても胃がんにならない人もいる。報告によっても差があるが、ピロリ菌に感染していると、感染していない場合と比較してだいたい5〜10倍ぐらい胃がんになりやすい*1。ピロリ菌感染と胃がんの関係は、喫煙と肺がんの関係と同じぐらいの強さで、HPV(ヒトパピローマウイルス)と子宮頸がんの関係よりは弱い。 「胃がんの99%はピロリ菌が原因」という主張があるが、さすがに99%というのは過大評価である。仮に胃がん患者の99%がピロリ菌陽性であったとしても、その中にはピ
◇九州大などの研究チームが発見 九州大などの研究チームは16日、うつ病の症状の重さに関連する血中代謝物を発見したと発表した。研究成果は同日(現地時間)、米オンライン科学誌に掲載された。症状の重さは、患者の申告に基づいて専門家の面接でその程度を判断しているが、今回の発見で症状の客観的評価法の確立や新薬開発につながることが期待される。 発見したのは九州大や大阪大、国立精神・神経医療研究センターの共同研究チーム。 発表によると、九州大病院や大阪大病院、同センター病院を受診した抑うつ症状がある計90人の患者から採血し、うつ病症状の重さと血中代謝物との関係を調べた。その結果、症状の重さによって、血液の中で量が変化する20種類の代謝物を特定した。特に「3-ヒドロキシ酪酸」や「ベタイン」など5種類は3病院のいずれでも強く関連していることが確認された。 さらに「抑うつ気分」「罪悪感」「自殺念慮」(
統合失調症と双極性障害の区別については長く議論が続いている。 診断のつきにくいケースも少なくない。ではどのような共通点や差異があるのか。 また最新の研究でわかっていることは何か。最前線で活躍する3名の医師に聞いた。 東京女子医科大学医学部神経精神科講師/病棟長 たかはし ひとし: 1995年に秋田大学医学部を卒業。その後、同附属病院、横手興生病院(秋田県)、JA 秋田厚生連由利組合総合病院勤務を経て、米国エモリー大学医学部精神科へ留学。2007年より東京女子医科大学医学部神経精神科勤務。日本医師会認定産業医でもある。 最近、統合失調症と双極性障害の関連性が注目されています。両疾患ははっきりと2つに分けられないかもしれない、との認識が改めて生じてきたのです。 その理由の一つに、統合失調症の治療薬である新規抗精神病薬が、双極性障害の治療薬としても適応を認められつつあることが挙げられます。ま
40代、50代のサラリーマンが酒席に集えば、だいたいこんな話になる。 「最近、めっきり酒が弱くなってさぁ……。若い頃の3分の1も飲んでいないのに、すぐ寝ちゃったり、悪酔いしたりする」 「俺もだよ。ちょっと飲んだだけで翌日が辛い。どこか体調に問題でもあるのかなァ……」 体力や記憶力と同様、「酒量」の増減を健康のバロメーターと考える人は多いだろう。最近酒に弱くなったのは重大な病気の兆候ではないか、と不安になるのも無理はない。しかし、いたずらに恐れる必要はない。「酔い」を科学的に学べば、年を取ると酒に弱くなるのは多くの場合、「ただの加齢現象」だとわかるはずだ。 アルコールを分解する臓器が肝臓であることは広く知られている。そのため多くの人々は「酒に弱くなった」=「肝臓の機能が低下している」と考え、肝臓の不調を疑ってしまう。 しかし中年までは、肝臓が原因で酒に弱くなることは稀だという。東海大学名誉教
年齢とともに髪の毛が薄くなるのは、頭皮にあるコラーゲンの一種が減り、髪の毛を作り出す細胞が死んでしまうためだとする研究成果を、東京医科歯科大学などの研究グループが発表しました。マウスを使った実験では、コラーゲンを増やすと加齢のため体の毛が減るのを抑えられたということで、薄毛を防ぐ薬の開発につながると期待されます。 研究グループでは、ヒトの髪の毛でも同じ仕組みがあることを確認していて、西村教授は「加齢で髪の毛が薄くなる仕組みがかなり分かってきた。コラーゲンの減少を抑える治療薬の候補となる物質を探し、数年以内に動物実験を行ったうえでヒトでの臨床試験に結びつけたい」と話しています。
【研究】 ハゲはガンになりにくい 1 名前:ニライカナイφ ★:2015/06/15(月) 20:17:37.19 ID:???*.net ◆ハゲはがんになりにくい―研究結果 日本人は結構ハゲや薄毛を気にしますよね。かつらメーカーも豊富ですし、育毛剤にも力が入っています。しかし、ハゲもそんなに悪いものではないことが、アメリカワシントン大学医学部の大学院での研究でわかりました。 アメリカBBCnewsによると、ワシントン大学で40代の男性2000人を調査。その結果、腫瘍が発生するリスクの低い人と、ハゲている人が相関することがわかったのです。 30歳までにハゲた人と、ハゲなかった人との差を調べたところ、ハゲている人とを調べたところ、てっぺんハゲではなく、しっかり後退したハゲの人は、29?45パーセント前立腺がんのリスクが低いとの結果が出ました。 ハゲの原因は、主にテストステロンがジヒドロテスト
巷では脳ばかりが注目されているが、腸も案外賢いことをご存知だろうか? 今や、科学者たちによって腸は第2の脳とまでみなされている。試験勉強や昇進に必ずしも役立つわけではないだろうが、腸は気分や感情、免疫系、さらには長期的な健康に関する化学的作用に影響を与える。研究によれば、状況から新しい技を”学ぶ”ことすらできるそうだ。こうした事実は、腸と脳の関連性を研究する神経消化器学という新しい分野からもたらされた知見だ。ここで賢い腸に関する10の豆知識を紹介しよう。 1. 脳の監視がなくても機能できる唯一の臓器 腸は権威に抗するレジスタンスのように、脳からの信号を待つことなく消化という重要な機能を果たすことができる。こうした芸当は、他の臓器はもちろん、あの力強い心臓でさえできないことだ。 2. 1億個もの脳細胞が存在する 腸が自分で判断できるのも驚くにはあたらない。食道から肛門まで続く9mの腸には、無
握力計で測定した筋力の低下は、死亡リスクを反映するようだ。 カナダのマクマスター大学を中心とした研究グループが、ランセット誌で2015年5月13日に報告した。 17カ国で検証 握力の測定値は生存に関係してくるのか。 研究グループは17カ国の家庭を対象として、握力を測定する試験を実施して、4.0年間を中心とした期間にわたる追跡を実施。原因を問わない死亡、心臓や血管の病気による死亡、心臓や血管の病気とは関わりのない原因による死亡の発生を調査。 そのほか病気やけがなどの発生も調べた。調べた項目は、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、がん、肺炎など。 低下幅が大きくなるほど その結果、握力の低下幅が大きくなるほど、原因を問わない死亡率は高まると分かった。握力が5kg減少するごとに危険度は16%高まっていた。 同じように、5kg握力が低下するごとに、心臓や血管の病気による死亡の危険度は17%増加、心臓
健康や医療に関するできるだけ多くのことを取り上げ、現実に役に立つ情報源を目指しています。たったひとりの個人が作っているサイトなので限界はあるのですが、一般の方にお役に立つ情報をひたすら増やしていけるよう努力しています。 何か気になる症状があったら調べてみると安心です。健康・医療館でご紹介している情報は、きっとお役にたちます。 当サイトは、健康や医療に関するとても巨大なサイトで、10個の 〔基本分野〕を設定しています。サイトは、PC版(パソコン対応)、およびスマホ版(スマホ、タブレット対応)から構成されていて、それぞれが対応する、2,000ページほどの情報が掲載されています。 基本分野は、このページ最上部の10個の〔基本分野ボタン〕、および画面左側の〔文字メニュー枠〕で示しています。これらの基本分野ボタン、あるいは文字メニュー項目をクリックすれば、任意の基本分野に移動できます。 例えば、体の
がん患者のスキャン画像を見る線量測定士。米ノースカロライナ(North Carolina)州ファイエットビル(Fayetteville)のがんセンターで(2010年8月4日撮影、資料写真)。(c)AFP/Getty Images/Chris Hondros 【1月2日 AFP】がんは、家族歴や環境的要因ではなく、細胞分裂時に起きるランダムな変異の「不運」に見舞われることによって発生する場合が多くを占めるとの研究論文が、2日の米科学誌サイエンス(Science)に発表された。 米ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)の研究チームが主導した今回の研究は、さまざまなヒト組織に発生する多様ながんを含めた統計モデルに基づくものだ。 ただし、女性で最も患者数の多いがんの乳がんと、男性で皮膚がんに次いで最も患者数の多いがんの前立腺がんは、今回のモデルには含まれていな
医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。 カラダご医見番 ハードワークのストレスに加え、飲酒や脂っこい食事。ビジネスマンの生活習慣は健康面からは実にハイリスクです。痛い・苦しい・痩せた・太った・イライラする…。そんな症状はどのような病気の兆候なのか?どんな治療が有効なのか?いきいきと働き続けるために、身体と病気に関する正確な知識が欠かせません。 バックナンバー一覧 日本人が一生涯のうちに「うつ病」を患う確率は6~7%とい
【10月18日 AFP】うつ病を発症するメカニズムにおいて重要な役割を担っているとみられる遺伝子を突き止めたと、米エール大(Yale University)の研究チームが17日、英医学誌「ネイチャー・メディスン(Nature Medicine)」に発表した。新薬開発につながる可能性に期待が寄せられている。 研究チームは、うつ病と診断された後に死亡した21人の遺伝子と健康な18人の遺伝子とを比較して、「MKP-1」と呼ばれるこの遺伝子を突き止めた。論文によるとMKP-1は、神経細胞(ニューロン)の生存と機能に不可欠な脳内化学物質「MAPK」のカスケード(連鎖)を遮断する役割を果たしているという。 研究では、MKP-1を不活性化させたノックアウトマウスを作り、うつ病とMAPKの関連性を調べた。すると、MKP-1ノックアウトマウスはストレスに対する回復力があったが、MKP-1を持つマウスはストレ
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