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bookとSFに関するsizukanayoruのブックマーク (10)

  • 『時間ループ物語論』はスゴ本

    古今東西の時間ループ物語を題材として、現代日を生きる人々が抱く価値観、人生観へ肉薄する佳作。十年前のテキストサイトでよく見かけたオタ的論述スタイルが、暑苦しく膨大に展開されており、懐かしくも愉快な読書と相成った。 うる星やつら『ビューティフルドリーマー』や、涼宮ハルヒ『エンドレス・エイト』といったアニメから、ゲーテ『ファウスト』、落語『芝浜』、漱石『それから』、果ては浦島太郎伝説を俎上に乗せ、定義、掘り下げ、類型化、普遍化し、物語の根っこである「願望充足」「カタルシス」にまで至る。 アニメ、映画小説、古典、神話……膨大な作品を次々と挙げ、脱線に次ぐ脱線を繰り返しながら語られてゆく、著者独特の「読み」の過程や考察がめっぽう面白い。リアルタイムでエヴァ論を読み重ねてきた人にとって、「時間ループ」はたまらない材になるだろう。 たとえば、若返り譚も含めると、ループ物語は古代から前史があったと

    『時間ループ物語論』はスゴ本
  • SF小説「星を継ぐもの」が紛れもない史上最高傑作である理由。【GW推薦図書】

    世の中には「SF小説」というちょっと偏ったジャンルがありまして、およそ一般的な読書傾向の方々は、あまりこのジャンルに触れない傾向があるような気がしています。 「そのジャンルを別段偏愛していない人でも手にとる」 と 「そのジャンルを偏愛している人でないと手にとらない」 というのがありまして、SFというジャンルには後者の割合が著しく多いような肌感があります。 面白いんですけどね、SF小説。 しんざきは昔からのSF小説好きでして、国内SFも読めば海外SFも読みます。 どちらかというと海外の、ちょっと古めのタイトルが好きな傾向があるかも知れません。ブラッドベリとか、カードとか、ティプトリーとかが特に好きです。国内だと神林長平先生を偏愛しています。 が。これは恐らく、SF好きの人なら結構多くの方が同意してくださると思うんですが。どれか一作、ありとあらゆるSF小説の中での最高傑作を選べと言われれば

    SF小説「星を継ぐもの」が紛れもない史上最高傑作である理由。【GW推薦図書】
  • 約15万円の講座を圧縮して読めるハイパフォーマンスな一冊──『SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録』 - 基本読書

    SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録 作者: 大森望,東浩紀,長谷敏司,冲方丁,藤井太洋,宮内悠介,法月綸太郎,新井素子,円城塔,小川一水,山田正紀出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/04/20メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3件) を見る書は東浩紀さん率いるゲンロンで一年間開催されていた、大森望さんによるSF創作講座をまとめた一冊になる。受講料は第一期が148000円、第二期が168000円(税別)となかなかのお値段がするが(とはいえ、物にもよるがこの手の講義からするとお手頃だと思う)、内容の充実度、その場所で副次的に得られるものを考えると安いものだろう。なにしろ、募集開始から枠がすぐに埋まってしまうのだから。 創作講座の充実度。 (ゲンロンの回し者のように見えるとアレだが)SF創作講座から得られるものを率直に考えてみると、まず講

    約15万円の講座を圧縮して読めるハイパフォーマンスな一冊──『SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録』 - 基本読書
  • 【読書感想】SFまで10000光年 ☆☆☆☆☆ - 琥珀色の戯言

    SFまで10000光年 作者: 水玉螢之丞出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/07/23メディア: 単行この商品を含むブログ (11件) を見る 内容(「BOOK」データベースより) 人がSFファンとして生きるとは、どういうことか?2014年12月に急逝した著者が、SFマガジン誌に10年にわたって連載したコミックエッセイが、ついに単行化。 水玉螢之丞さんが亡くなられたのは、2014年12月13日でした。 ちょうど一年前のことです。 水玉さんって、僕が物心ついて、テレビゲームとかパソコン(マイコン)とかSFとか(正直、僕はSF成分は薄いんですが)にハマっていった時代に「いろんな雑誌で見かけるイラストの人」でした。 いま、こうして、1993年から、2002年までの『SFまで10000光年』をまとめて読んでいると、どのページをめくっても水玉螢之丞、という状況に、ちょっと戸惑ってみ

    【読書感想】SFまで10000光年 ☆☆☆☆☆ - 琥珀色の戯言
  • 「時をかける少女」筒井康隆 著 | Kousyoublog

    以前「戦国自衛隊」の原作小説を紹介したが、作も同様に、映画で知っているものの原作小説は読んだことがないという作品の一つだった。特に映画が有名すぎて、そして幾度と無く映像化されていることもあって、傑作だとの評判は聞いていたものの、手が出ずにいた。 作を筒井康隆が発表したのが1965年で丁度五十年前、僕が知ったのは1983年の原田知世主演映画だから、それでも三十年余りの間読まずにいたわけだが、こういうこそ読んでおこうと最近思うことが多いので、遅ればせながら読んでみた。どこを切り取っても全く古びたところがなく――せいぜいヒロインの名前(芳山和子)が古臭いぐらい――、当に面白かった。 kindle版 時をかける少女 角川文庫 posted with amazlet at 15.05.30 KADOKAWA / 角川書店 (2012-10-01) 売り上げランキング: 4,596 Amazo

    「時をかける少女」筒井康隆 著 | Kousyoublog
  • 松岡正剛の千夜千冊 : 『女性状無意識』小谷真理

  • サイバースペースの民俗学: 日本人とメタバース : 族長の初夏

    柾悟郎の「ヴィーナス・シティ」を読んだら、現在のネット文化についてかなり的確に予言している箇所がいくつも出てきて驚きました。特に興味をひかれたのが、仮想空間やネット社会における日人の民族性についての考察です。(作品のタイトルにもなっているヴィーナス・シティとは、ユーザーが自己のアバターを操作してネット上の仮想都市の住人として生活を送ることができる娯楽サービスのこと。仮想現実の技術が今より進んだメタバース的なもの。) ヴィーナス・シティの日人ユーザーの大半は、欧米人のようにアバターとして自分自身のイメージを使わず、おおむね白人タイプの、またはマンガやアニメやゲームのキャラクターに似せたイメージを使っています。これは現実でも、たとえばMMOとかでよくみられる現象です。セカンドライフなど実際のメタバースではどうなのか、僕は入った経験がないのでそこはなんともいえないんですが。 こうしたことの原

  • SF本の雑誌 - 本屋のほんき

    SFの雑誌 (別冊の雑誌 15) 作者: の雑誌編集部出版社/メーカー: の雑誌社発売日: 2009/07/02メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 7人 クリック: 36回この商品を含むブログ (40件) を見るの雑誌の過去のSF記事などを再編集したりして、1冊のSFガイドになったのがこれ。 まあいつも思いますが、なにゆえにSFを語る人はSFじゃないものに対して、こんなに心が狭いのか(笑) しかもそのSFかそうでないかの基準が全然明確じゃなくて、それぞれに持っている心の物差し(好き嫌いとも言う)で判断しているという、そんなSF愛好家たちの心の狭さを存分に堪能できるです。 そもそもまず冒頭でSFオールタイムベスト100決定会議とかをやってるんですが、いきなり全員で『夏への扉』はまず外す、あれはもういいとか言い出して、初っ端から一般ピープルは完全に置き去り。『十二国記』はS

    SF本の雑誌 - 本屋のほんき
  • 科学とSFの界面活性剤となる三冊

    科学とSFの界面活性剤となる三冊を選んだ。 楽観的に語られる未来予想図は生々しく、ときに禍々しいが、善悪を決めるのは科学じゃなくて人なんだといまさらながら気づかされる。 まずは、「サイエンス・インポッシブル」。光学迷彩から恒星間飛行、念力やテレポーテーションといったSFネタを、最先端科学でもって検証してみせる。面白いのは、「何が不可能か?」に着眼しているところ。つまり、オーバーテクノロジー技術上の課題に分解し、どうしたら可能になるかを検討するのだ。大質量の恒星を用いるガンマ線バースター砲の射程は数百光年といった極大から、自己複製する無人のインテリジェント・ナノシップを何百万と送るほうがコスト安といった極小まで、SFを超えたスケールに驚愕すべし。 次は、「操作される脳」。 インターネットやステルス技術で有名な、米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)の「人体」への研究成果が紹介されてい

    科学とSFの界面活性剤となる三冊
  • Amazon.co.jp: 思考する物語: SFの原理・歴史・主題: 森下一仁: 本

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