ヨーロッパときどきアフリカ担当のKです。今月号で、ちょっと面白いアフリカの王様の話を取り上げています。 ガーナの有力部族であるエウェ族の王家に生まれたセファス・バンサーは、若い頃にドイツに留学し、そのままドイツで仕事を持ち、家庭を築き、幸せに暮らしていました。ところがあるとき、故郷から連絡が入ります。 「ソフ キトク、スグカエレ」 ……という電報だったかどうかはわかりませんが、おそらくはそんな内容で呼び出され、突如、王位を継承することになるのです。とはいえ、父も兄も存命で、セファス・バンサーはそのときまで、自分が王になるとは考えてもいませんでした。だからこそ、ドイツに居を構え、好きな自動車整備の仕事に勤しみ、地に足のついた生活を営んでいたのです。それがいきなり王様になったということは、王冠をめぐる骨肉の争いがあったのか、あるいは血で血を洗う抗争の末に──。こんなチープな想像をしていたのです
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