半野:そうなんですけど、そこにはすごい偶然があったんです。配給会社の方が、日本の映画会社が出資しているんだから日本人の音楽家を起用したらどうかと考えて、日本のミュージシャンのCDを買いにタワーレコードに行ったら、たまたまレジで僕の音楽が流れていたんです。当時の僕は映画音楽をやったことがなかったんですが、買いに行った方が「これも!」って候補に入れちゃったんですよ。侯監督はたくさんのCDの中から僕の作品を選んでくれたんですね。 坂本:半野君のCDを即興でピックアップした人には、すごい才能を感じるな(笑)。 半野:恩人ですね(笑)。その作品で初めてカンヌ映画祭に行ったんですが、海外メディアからは坂本さんのことをたくさん聞かれました。「お前は坂本の弟子なのか」って(笑)。でも、僕はアカデミックな音楽教育を受けたわけでもなく、当時は主にクラブで活動しているミュージシャンでしたから……。それでカンヌか