四川大地震から3年を迎えた12日付の社説で、中国当局に拘束されている芸術家、艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏への支持を暗示し、学校の手抜き工事で犠牲になった子らへの哀悼を示した広東紙・南方都市報の記者が更迭された。 関係者によると、問題の社説を書いたのは論説委員に当たる「社論員」の宋志標氏。社内会議で、社説の執筆から外されることが正式に決まった。解雇などの処分は出ていない模様だ。 12日付の社説は、手抜き工事の犠牲になった子らに語りかけるような文体で、その魂を慰められない無念をにじませ、「君たちにしてあげられたことといえば、鉄製の十二支を並べ磁器のヒマワリの種を捧げたことくらいだ」と書いた。 十二支やヒマワリの種は、いずれも手抜き工事の犠牲者の名簿づくりに取り組んだ艾氏の代表作のモチーフ。関係者は「宋氏は強まる言論圧力への反骨を示してくれた」と話す。