瓢鮎図、鯰と瓢箪 2014©Céc ileAsanumaBrice 人間の営みが引き起こした最も大きな脅威のひとつが、2011年の震災のときの福島第一原発の事故で具現化されたにも関わらず、再びリスク・コミュニケーションという言葉が浮上するようになって2年が経とうとしている。 巧みな言葉の錬金術により、人間が引き起こすリスクと自然災害によるリスクは、「リスク」というカテゴリーで一括りにされてしまっている。原因管理について考えることは、もはや今日的意義がないように見えるが、ウルリッヒ・ベックの著書のタイトルにあるような、例外的な状況を普通としてしまう恐れのある社会である「リスク社会」を生きるのを認識することは我々の今後の課題である。今日のリスク・コミュニケーションの役割とは何なのだろうか。どのような目的で、誰に向けられているのだろう。リスク・コミュニケーションは情報ツールか、防衛の手段か、それ