川崎市幸区の多摩川の河川敷にある戸手4丁目の一角。ここに戦後まもなく在日韓国・朝鮮人が住み始めて60年余り。わずかに残ったトタン屋根の住宅が、スーパー堤防などの都市開発で消えようとしている。地域を歩き、この街に生きた人たちの思いを聞いた。 JR川崎駅から北に2キロ足らず。多摩川沿いに200メートルほどの集落が続く。 かつては約1キロにわたって並んでいた。住民登録していない人も多く、住んでいた人数は市も分からない。いまこの街で暮らすのは3世帯。ほかに古紙回収業者の事務所やキリスト教の川崎戸手教会、廃屋などが並ぶ。