「子どもの可能性の芽が摘まれてしまった。謝罪されても、もう時間は戻らない」―。県立神田高校(平塚市)が入試で選考基準を逸脱し、本来なら合格していた二十二人の生徒を服装の乱れなどを理由に不合格にしていた問題で、突然届いた県教育委員会からの手紙に当該の生徒やその保護者は戸惑っている。ある保護者は「(こうした事態を招いた)関係者が処分されないのは甘い」と怒りをあらわにした。 神田高で基準点を超えながら不合格になったのは二〇〇四年度、〇五年度実施の入試でいずれも六人、〇七年度は十人。 現在十八歳になる長男が〇五年度の後期選抜を受けた小田原市内の母親(53)は今月半ば、県教委から「お話したい」と手紙が届いた。その数日後の二度目の手紙に「合格圏内に入っていたにもかかわらず不合格にされていた」と理由が示されていた。 母親は事態をのみ込んだ。「息子もあの時入学していれば違った人生を歩んでいたはずなの