■駅そば道は深い 1日3食「駅そば」でいい。 ……と、カバーに印刷してある。こういうのはふつう帯に印刷してあるのだが、あえてカバーに刷り込んだところに著者のやる気が伝わる。「これだけ美味くて安い食べ物はない!」ともある。うーむ、駅そばがそこまでのものか。 この本は、日本全国のうまい駅そばを写真入りで紹介したガイド本なのだが、少し多めの前書き的なものがある。それを読むと「なるほど駅そば道は深い」と思わされる。駅そばの店が昔はホームにあったものが今はコンコースが主流である(ホームにあると、ホームが狭くなり朝夕のラッシュ時に危険になる)とか、「改札内外のジレンマ」なんていう見出しを見ると、著者の、駅そばに対する熱い思い入れが感じられる。 著者はきっと「美味い立ち食いそば」ではなく「駅にある立ち食いそば」というもの全体を愛しているのだ。手軽さや安さや、そしてある種のまずさまでひっくるめて愛す。それ
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