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ブックマーク / geopoli.exblog.jp (100)

  • ルトワックの「シリアの内戦を長引かせろ」論 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は快晴です。九月だというのに暑いですね。 さて、この間翻訳を出したばかりのルトワックが、予想通りというか、アメリカの対シリア政策について興味深い議論を展開しておりましたのでご紹介。 この記事は完全に見逃していたものですが、Twitterで教えてもらいました。ありがたいことです。 === どちらが勝ってもアメリカはシリアで敗北する byエドワード・ルトワック ●先週の水曜日のニュースでは、シリアの首都ダマスカスの郊外で化学兵器が使われたことが報じられた。人権活動家によれば、これによって数百人の民間人が殺害されたということであり、エジプトの危機のほうが悪化しているにもかかわらず、シリアの内戦がアメリカ政府の関心を引きはじめた。 ●しかしオバマ政権はシリアの内戦に介入してはならない。なぜならこの内戦では、そのどちらの側が勝ったとしてもアメリカにとっては望ましくない結果を引き起こすこ

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    smicho 2013/09/02
  • シリアを空爆するがいい | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は少し気温が落ち着いてようやく秋に近づいた感じが。 昨日は熊まで一泊で出張してきました。加藤清正公が作った城が思ったよりも立派だったので驚きました。聞きしに勝るとはこのことですね。これを踏まえて山梨にはぜひ甲府の舞鶴城を復活させてほしいのですが。 さて、シリア情勢の緊張度が高まってきましたが、なかなか挑発的な意見記事がありましたので要約です。著者はノースウェスタン大学の若手のイアン・ハード准教授。 === たとえ違法でもシリアを空爆せよ By イアン・ハード ●最近のシリア内戦での虐殺では十万人以上が殺されており、アサド大統領のこれ以上の虐殺を止めるための何らかの緊急な対応が求められる。 ●ところがこのような状況の中で、国際的な軍事力の使用についての法的な基盤についての混乱が見られる。 ●まず法的な面からいえば、シリア政府の化学兵器の使用は、自動的にアメリカの武力介入を正当

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    smicho 2013/08/31
  • 「行列で待つこと」についての心理学 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は相変わらず昼間が真夏日です。洗濯物には最高かと。 さて、久しぶりに記事の要約です。今回は心理学に関するものですが、これはビジネスなどにかなり応用が効くものかと。 たとえば以下に出てくる鏡の例などは、ビジネスマンや経営者向けのセミナーなどではよく使われる例ですね。私も自分の新刊に似たような例を書きました。 これも「手先」や「技術」による絶対的な数値の改善ではなく、あくまでも人間の心理をうまく使ったシステム的な「抽象度の高い解決法」ということでヒントになるものです。 === なぜ「行列で待つ」のは拷問なのか by アレックス・ストーン ●数年前のことだが、ヒューストン空港の幹部が、利用者からの多くのクレームに直面して困ったことがある。 ●それは、「飛行機からの荷物を受け取るテーブルのところでやたらと待たされる」という利用客からの不満だった。 ●これに対応するために、この幹部たち

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    smicho 2012/09/12
  • 「違和感がある」はマズい | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から晴れております。朝晩は過ごしやすくなってきましたが、今日は暑くなるとか。 さて、久々に私のコメント的なことを書きます。 昨夜もTwitterのほうで書いたのですが、最近「違和感がある」というコメントが気になってしかたがない。 この言葉はもちろん以前からよく使われていたのですが、とくにネット上では去年の原発事故あたりを境にして「誰々さんのコメントに違和感がある」という形でよく使われております。 しかも日では立派な新聞やテレビに出ているコメンテーターまでがこのような「違和感がある」とコメントしていて、私もそれについて「違和感」なくスルーしておりました。 ところが最近になって、このコメントが非常にマズいものであることに気づいたのです。 ご存知のように、私は去年までイギリスに留学していたわけですが、それまでは向こうの人間と議論などをする時は、「違和感がある」という言葉など使

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    smicho 2012/09/06
  • テクノロジーが無駄な作業を増やす? | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部も相変わらずよい天気で暑いです。ただし朝晩はやや暑さが落ち着いてきたような気が。あくまでも「気」だけですが。 さて、当に久々にブログにエントリーを。要約なんですが、これはテクノロジーが社会を不便にしているという負の面を強調した興味深いものかと。 === GPSが救助信号を頻発させる by ディヴィッド・ロバーツ ●携帯やGPS関連機器が普及したおかげで、アメリカの山岳地帯などでは不必要な救助を求める行為が増えており、結果として救助を行う際の救助隊員の命をリスクにさらすことになってきている。 ●アメリカ中の救助隊たちは「誤った警報」や、新しい機器のおかげで安全を担保されていると勘違いして無理をしてしまった初心者たちに直面しているのだ。 ●多くの人々が個人用捜索救助システム(PLB)を使い始めたおかげで、山岳地帯のような自然あふれる過疎地でボタンを押して、救助信号を出して救助で

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    smicho 2012/08/29
  • ある雑誌に載っていた「尖閣危機シミュレーション」 | 地政学を英国で学んだ

    とりあえずメモ代わりにここへ 某T大学のY教授による尖閣危機のシミュレーションです。 === ●中国は1992年に「領海法」を制定し、尖閣を自国領土として宣言 ●2010年3月施行の「海島保護法」では無人島の尖閣を国有地とした。 ●つまり中国は中長期的な視点で、詰め将棋のように日を周到に追い込んでいる。 ●日側は無策。 ●2010年9月には中国漁船側からの海保への衝突事件が勃発。 ●2012年3月には国家海洋局所属の公船が侵入。これは北京政府の支持があったと見るべき。 ●2012年7月11/12日に侵入した漁業監視船は三隻。日の海保側は四隻。「妨害するな、中国領土から離れろ」と警告してきた。こんなに強硬な態度ははじめて。 ●これは日中の「実行支配」のレベルが国際的に見て同程度になってしまったということ。「領土問題は存在しない」という日政府の立場は国際的にも怪しくなっている。 ●最悪

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    smicho 2012/07/22
  • サイバー戦によって「戦争の本質」が変わった? | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から小雨が降っております。気温も下がり、久々のまとまった雨。梅雨が近づいている予感が。 さて、久々のブログ更新ですが、以下は私がそのうちクラウゼヴィッツ学会で発表する内容と重なるもの。その記事の要約を。 基的には「サイバー戦争」ネタですが、クラウゼヴィッツの「戦争質」(the nature of war)に絡んでくる大事なポイントです。 === サイバー攻撃は、戦争(と平和)のアイディアを変えるかも? ●現代というのは、平和を推進しようとする人々にとっては困惑する時代であると言えよう。 ●その理由は、戦争が増えたからではなく、紛争そのものの質(nature)が劇的なスピードで変わりつつあるからだ。 ●たとえば陸上部隊と共に侵攻するのを避けるために、多くの国はアメリカにならって無人機を使うことを計画している。 ●また、彼らは暴力的な空爆ではなくて、グローバルな金融シ

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    smicho 2012/06/06
  • フェイスブックの幻想 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から晴れております。 さて、テクノロジーと人間社会についてまた記事の要約です。 今回はアメリカの若手保守系コラムニストによる、「ネット当に新しいビジネス足りうるのか?」という興味深い分析を。 === フェイスブックの幻想 by ロス・ドーサット ●21世紀の最初の十年間に出てきた経済面での壮大な幻想が二つある。 ●一つは「住宅価格はノーマルな経済のトレンドに束縛されずに上がり続ける」というものであり、もう一つは「われわれはウェブ2.0時代にネットを使って大いに稼げるようになる」というものだ。 ●もちろん最初の幻想は2007年と2008年の住宅価格と株式市場の暴落で崩壊したが、ウェブ2.0という幻想は長続きしたため、騙されやすい投資家たちは、先週フェイスブックがNASDAQに上場した時に手痛い損害を被ったのである。 ●フェイスブックがブルームバーグ・ビジネスウィーク誌に「

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    smicho 2012/05/31
  • ベンチャー企業の地政学 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部はよく晴れました。土曜日でこれだけよく晴れたのは久しぶりじゃないですか? さて、IT系企業の立ち上げに必要なベンチャーキャピタルについての興味深い記事がありましたのでその要約を。 内容はヨーロッパではなぜフェイスブックのような企業が育たないのか、その考察です。けっこう「地政学的」な話だったのでビックリ。 === ヨーロッパのテクノロジー会社の立ち上げの苦労 ●パリ郊外のヌイイ=シュル=セーヌのオフィスビルの上階には、ネットビジネスで一旗揚げようとする若者が集まっている。 ●彼らは次のグーグルやフェイスブック、それにジンガなどを狙っているのだが、シリコンバレーと違って、何かが足りない。 ●それは、マネーである。 ●アメリカのシリコンバレーでは、ネットビジネスを開始しようとすると、ベンチャーキャピタリストたちがかなり初期の段階から資金を用意してくれることが多い。 ●ところがヨーロ

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    smicho 2012/05/20
  • アフガニスタン支援の分裂 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は昼過ぎに雷とにわか雨が来た以外は晴れて気持ちよい一日でした。 さて、日ではあまり報道されておりませんが、今週末からアメリカのシカゴで開催されるNATO首脳会議が安全保障や大戦略の分野としてはビッグニュースなので、その話題についての記事の要約を一つ。 === サミット直前にアフガニスタン支援で意見の分裂させるNATO諸国 ●NATO軍がアフガニスタンからの撤退を加速させている現在、あまり確実なことはない。 ●ところがその中でわずかに存在する「確実なこと」というのは、アフガニスタンで達成できることについて、大陸国家たちのほうが英米よりも悲観的である、ということだ。 ●ヨーロッパ経済が不安定になる中で、相変わらずアフガニスタンの状態は改善していないし、彼らの支援もすぐにもくずと消えてしまって効果が全く見えないからだ。 ●さらに問題なのは、タリバンだけでなく、民族間での武力抗争も

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    smicho 2012/05/20
  • 「オフショア・コントロール」という新しい戦略:その2 | 地政学を英国で学んだ

    長くなりましたが、昨日のエントリーの続きです。 (4)勝利にいたるまでの理論 ●この戦略では、中国共産党政府が対インド、対国連(朝鮮戦争)、対ソ連、対ベトナムの時に戦争をストップした例を踏襲する。つまり中国側に「相手に教訓を与えた」と言わせるための状況づくりが重要なのだ。 ●中国土の施設などへの攻撃を禁止することによって、戦闘のエスカレーションと、中国の「教訓を与えた」と言わせやすくして勝利を宣言させ、そして戦争を終結させるということなどを同時に実現するのだ。 ●この戦略では「決定的な勝利」は追求しない。なぜなら核武装している国家に対して「決定的な勝利」を求めようとする考えること自体がおかしいと考えるからだ。 === ■オフショア・コントロールの有利な点は? ●戦略というのは、他の戦略と比較することによってその特徴があらわれるものだ。 ●ところが米国防省が出している「エアシーバトル」とい

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    smicho 2012/05/15
  • 「オフショア・コントロール」という新しい戦略 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は雲が多めですが晴れております。それにしても一昨日の午後の集中豪雨はすごかったですね。 さて、ブログでは私が翻訳をした(ミア、ウォルト、レイン)に提唱されているという関係から「オフショア・バランシング」というアメリカの大戦略のコンセプトについて注目しているわけですが、ここに来てまた新しい戦略の概念が出てきました。その名はなんと、 「オフショア・コントロール」(offshore control) というもの。 提唱しているのは「第四世代戦闘」(4GW)というコンセプトを提唱し、ラムズフェルドを痛烈に批判して退役した米海兵隊の元大佐のトーマス・ハメス。The Sling and the Stoneというでかなり有名になりました この人が日の防衛サークルでも話題の「エアシーバトル」というコンセプトの代わりに、さらに踏み込んだ「オフショア・コントロール」という概念を提唱したの

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    smicho 2012/05/15
  • 歯止め効果 | 地政学を英国で学んだ

    さて、今日は私が翻訳したの原著者であるウォルトのブログから興味深い一節があったのでご紹介。 === アメリカの核弾頭をヨーロッパから排除する秋 ●合理的な政策決定をしようとする時に大きな障害となるものの内の一つとして挙げられるのが「歯止め効果」(ratchet effect)というものだ。 ●これは、政府のような大きな組織にある政策が採用されると、その政策自身が生命を持つかのように拡大していって歯止めが効かなくなり、変化にたいする障害物になるという傾向を示したものだ。 ●たとえばわれわれは、オサマ・ビンラディンが死んだ数十年たった後でも空港のセキュリティーチェックが厳しいまま行くであろうことが容易に予測できる。 ●いま行われている空港のセキュリティーチェック は、シンプルなコスト計算だと全く「ワリ」に合わないことは、誰にでもわかる。 ●でも今のセキュリティーチェックの体制を緩めようという

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    smicho 2012/04/28
  • アメリカの分裂したユダヤ人 | 地政学を英国で学んだ

    今朝の横浜北部は雲が多めですがなんとか日が出ております。 さて、今日の記事もちょっとコアなもの。アメリカの「ユダヤ人問題」についての意見記事の要約です。 この辺については、なぜミアシャイマーが『イスラエルロビーとアメリカの対外政策』というを書けたのかという事情にもつながってくる、非常に興味深いところです。 簡単にいえば、アメリカのユダヤ人も一枚岩じゃない、ということでしょうか。「ユダヤ人陰謀説」などありますが、この辺をもう少し理解しないといけないかと。 それと大きな違いは、やはり「世代」ですね。 著者はニューリパブリックの若手の元編集長で、テレビの討論などではけっこうレギュラー出演していた人です。下の記事のネタになったのは、最近彼が出版した以下のもの。 The Crisis of Zionism by Peter Beinart === アメリカの分裂したユダヤ人 by ピーター・ベイナ

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    smicho 2012/04/21
  • カーナビは使うな!:テクノロジーの落とし穴 | 地政学を英国で学んだ

    今日の上野はよく晴れております。 さて、テクノロジーと社会について、シンガポールの新聞の記者が面白いことを書いていたので要約します。 === カーナビは使うな!――GPS機器はわれわれをダメにする Byウィリアム・チョオン ●車に乗る人、ジャングルの中をハイキングをする人、そしてミサイルを正確に打ち込む軍など、GPS関連機器というのは現在の人間にとって欠かせないものになりつつある。 ●たしかにGPSで動くカーナビというのは、とくに初めての土地に来た人にとって神からの贈り物というべきものであろう。行き先を入力すれば、そこまで正確に案内してくれるからだ。 ●TomTomというサイトでは、映画「スターウォーズ」に出てくるヨーダの声で案内してくれるカーナビを売っているほどだ(「君は間違った道を選んだ・・・ダークサイドの方に」という声が出る)。 ●ところがGPS関連機器にはまったく問題がないわけでは

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    smicho 2012/04/15
  • なぜ国家は失敗する? | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は昼過ぎから曇ってきました。陽気は完全に春ですが。 さて、また興味深い(の書評)がありましたのでその要約を以下に。 このなんですが、アメリカでは相当話題になってますね。ウォルツ的にいえば完全に「セカンド・イメージ」(国家/組織)による原因の説明でして、まあリベラル派の説明によるスタンダードなものです。 面白いのはその説明に豊富な歴史の例を使っていることと、政治と経済のつながりをかなり密接に分析しているところでしょうか。 この調子だと、おそらく日でも近いうちに翻訳されて発売されそうです。 ==== なぜ国家は失敗する? Byトーマス・フリードマン ●今読んでいるがとても面白い。『なぜ国家は失敗するのか』というだ。 ●これを読めば読むほどアメリカがアフガニスタンでいかにアホなことをしているか、そしてアメリカはいかに対外援助戦略を抜的に見直さなければならないかがよくわか

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    smicho 2012/04/14
  • 地政学を英国で学んだ : 米中政府高官たちは互いをどう見ている?

    ★4月25日発売予定の新刊『なぜリーダーはウソをつくのか』by ジョン・ミアシャイマー今日の横浜は快晴ですが、午後になってから数日前並みの強風が吹き荒れております。 さて、久しぶりに面白い記事の要約を。 米中関係に関するものなのですが、両国の政府高官たちが互いをどのように見ているのかという「世界観」に関するものです。 このようなネタはかなりたまっているんですが、肝心の私が忙しくてあまり紹介する時間がないというのが情けない限り。 今後はブログのほうでもみなさんに役立つこのような「小ネタ」的なものをどんどん流していきたいと思っております。 ==== 中国のリーダーたちはアメリカの国力に「衰え」を感じている? ●ある中国の分析家によれば、最近中国政府の高官たちは、米中の競争を段々と「ゼロサム・ゲーム」の関係として見るようになっているらしい。 ●しかもアメリカの経済と国内体制がうま

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    smicho 2012/04/05
  • 中国専門家:質疑応答その2 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は昨夜の嵐とはうってかわってスッキリ晴れております。 さて、前のエントリーの続きを。質疑応答なんですが、この後のやり取りはけっこう短かったです。ただし図式としては、インドと韓国の研究者たちが中国の若手研究者に噛み付く、というスタイルでした。 ==== Q:中国はなぜ海洋面で拡大主義をとっているのですか?(韓国の研究者の質問) ●同じような質問を多くの人々に聞かれるんですが、それに関して私からは何も言えないんですが、とりあえずその質問が出てくる背景だけ述べさせて下さい。 ●ある調査によれば、中国は過去十年間に陸の国境でかなり譲歩をしているということが挙げられます。具体的にはロシアや中央アジアの国々やベトナムなどとの国境策定交渉で、中国は主張するうちの49%だけしか獲得できていないということです。 ●「譲歩」という言葉を使うとすれば、ではなぜ海洋で同じように「拡大する」と言えるの

    中国専門家:質疑応答その2 | 地政学を英国で学んだ
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    smicho 2012/04/05
  • 中国専門家:質疑応答その1 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は快晴です。春らしくなってきましたな。 さて、すでにTwitter上では流しましたが、昨日の続きを。あと二回分の質疑応答があります。 ==== Q:中国国内のリベラルな言論について教えて欲しい。 ●かなりマイノリティーではあるが存在します。最もリベラルなのは「大きな海にある島なんかこだわるな」というもの。 ●別のものとして挙げられるのは、「とにかく現状維持で行けばいい」というもの。今のような状態を長期間続けるだけでいい、というもの。 ●もう一つは「中国は大きな大国なんだから小さいことにこだわるな」という主張。中国の国益や生き残りには関係ない、ケチケチするな、ということでしょうか。 ●もちろんこれらはかなりマイノリティーな視点です。中国の大半は「われわれは現状を甘んじて受ける。武力を使って南シナ海を取りに行こうとは思っていない」と考えているはずです。 Q: 中国は南シナ海の80

    中国専門家:質疑応答その1 | 地政学を英国で学んだ
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    smicho 2012/03/30
    >中国が民主化に向かうことだけは非常に危険
  • 地政学を英国で学んだ : ある中国対外政策研究家(中国人)の分析

    三月下旬発売予定の新刊『リーダー達はなぜウソをつくのか』by ジョン・ミアシャイマー今日の京都は曇りでして、風がけっこう強かったです。 さて、先月末にシンガポールの会議に参加した時に聞いた、中国人の若手研究家の「南シナ海における今後の中国の対外政策の展望」という内容の講演の内容をアップしましたのでご覧下さい。 かなり冷静に見ているようで、最後にインサイダー情報がある点も注目かと。 ====== ●私は「木」よりも「森」を見ていくつもり。大きなトレンドを見て行く。 ●私のプレゼンは二つにわけられる。前半は大きな要素をみていく。後半はその将来像を。 ●先に簡単にえば、結論は二つある:①ここ二年間については注意深く楽観的である、②長期的にはわからない。 ●われわれから見れば、過去数年間の中国の南シナ海についての動きは、矛盾だらけのように見える。 ●一つ目の矛盾は、一方ではかなり活

    smicho
    smicho 2012/03/29