最小化した手と行為する手 1963年にアイヴァン・サザランドは、博士論文「Sketchpad:マン−マシン・グラフィカル・コミュニケーション・システム」を発表した。サザランドはそこで、「Sketchpadシステムは、線を描くことで(キャプション以外の)文章入力を不要にし、マン−マシン・コミュニケーションの新しい世界を切り開いた」と書いている。 スケッチパッドで特徴的なインターフェイスは、ディスプレイに線を描く「ライトペン」というペン型のデバイスである。ライトペンとディスプレイ外に設置されたボタンの操作により、スケッチパッドでは様々な図形を描くことができる。また、スケッチパッドが実装されたTX-2コンピュータには多くのボタンが備え付けられ、それぞれに「円を描く」「直線を描く」「消す」「コピー」「移動」などの機能が割り当てられていた。ユーザはそれらのボタンを押すことで、これから行う操作をあらか
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