![ノーベル賞ディートン教授「誰が米国の民主主義を壊したのか?」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/345d43994381c4b5bdf0376837a67c8d1cc9f6fd/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkei.com%2Fatcl%2Fgen%2F19%2F00351%2F102800057%2Ffb.jpg)
山中(以下Y) 計見先生が書かれた『戦争する脳-破局への病理』を読んで、押しかけてお話を聞き、「日経ビジネス」に記事を載せさせていただきましたね(「硫黄島守備隊の強さ 上司は『休ませる勇気』を」)。 このとき「この10年で日本の自殺者は中高年男性を中心に1万人も増加した。その人数は、日清戦争の戦死者とほぼ同じ。精神科医に言わせれば、戦線はもはや崩壊しつつあるのです」とおっしゃった。あれからもう2年。状況はむしろ悪くなっているように見えます(自殺に関する詳しい情報は内閣府の自殺対策ホームページを参照)。 計見 自殺問題へのアプローチには、重要な視点が二つあるように思います。まず、日本文化は歴史的に自殺を受容してきたし、ときにはそれを賛美してきたこと。江戸時代の近松門左衛門による心中狂言や、歌舞伎の演目。幕末から明治では、多くの志士が自裁、西郷隆盛も心中未遂をしています(※相手は既遂)。 Y
前回(エマニュエル・トッド氏「第3次世界大戦が始まった」)において、フランスの歴史人口学者であるトッド氏は、ロシアのウクライナ侵攻に対する認識を示した。では、戦争終結への道筋をどのように見いだしているのか。また、日本のウクライナ戦争への対応をどのように評価しているのか。ロングインタビューの後編をお届けする。 1951年フランス生まれ。パリ政治学院卒。英ケンブリッジ大学で博士号を取得。家族構成や出生率、死亡率から世界の潮流を読む。76年の著書で旧ソ連の崩壊を予言した。米国の衰退期入りを指摘した2002年の『帝国以後』は世界的ベストセラーに。その後もアラブの春、トランプ大統領誕生、英国の欧州連合(EU)離脱を言い当てた。6月17日に『第三次世界大戦はもう始まっている』(文春新書)を出版予定(写真:Abaca/アフロ) トッドさんはロシアのウクライナ侵攻により、「第3次世界大戦が始まった」と指摘
この記事は日経バイオテクにコラム「編集長の目」として5月31日に配信したものを、日経ビジネス電子版に転載しています。 「安心・安全」という言葉の使い方が嫌いです。安全は科学で証明することができますが、安心はその人の感情で決まります。本来は概念が異なる言葉を連結して使うことで、世の中が間違った方向に向かっていくと私は懸念しています。 この奇妙な日本語が流布するようになったのは割と最近です。日経テレコンで全国紙(朝日・毎日・読売・産経・日経)の記事を検索すると、1970年代まではヒットしません。1980年代に14件、1990年代に225件だったものが、2000年代に入ると1万243件に急増します。2010年代にはさらに増えて1万8506件となり、2020年代はそれを上回るペースで「安心・安全」にまつわる記事が量産されています。 古い記事をたどると、安心・安全という言葉を使い始めたのは政治家のよ
新型コロナウイルスワクチン接種の現場を見るのはこれが初めてだ。 5月の連休明け、東京・小金井市の駅にほど近い「小金井メディカルクリニック」。8つの診療科目を持ち、勤務する医療関係者は11人。入院施設はない。「町の大きめのお医者さん」という感じだ。 待合室に入る。テレビではちょうど「ワクチン接種の人手が足りない」話を映しているのだが、接種会場であるはずのこのクリニックには、行列もなければ、鳴り響く予約電話の音もない。というか、時節柄当然ながら待合室のベンチは空席がけっこうある。時折、付き添いの方とご高齢の方が診察室に入っていくが、どうもワクチン接種ではなくて健康診断のようだ。 診療所で「日常」として接種がどんどん進んでいく 働いている人も走り回ったりせず、笑顔で丁寧に、落ち着いて業務をされている。ワクチン接種という突発事態、非日常、という思い込みから、修羅場、怒号、錯綜といった「現場」を心の
今までやってきて、よかったな――。そう素直に思えた出来事がありました。 東日本大震災が起きてちょうど10年になる今年の3月11日から12日にかけて、岩手県宮古市、山田町、大船渡市、宮城県気仙沼市から、さらに南下して仙台市、福島県相馬市と、被災したエリアを回りました。 2011年当時、私はローソンの社長を務めていましたが、被災した店舗がいくつもあったので震災直後に現地に入りました。そのときの現地の様子は今もまざまざと思い起こせるほど過酷なものでした。失われたものは二度と戻らず、がれきが取り除かれてきれいに整地されてもいまだ人が戻らない町があり、厳しい現実の中を生きる方々がいらっしゃるのは確かです。一方で、わずか10年とは思えないほど力強く新たな生活を切り開いている方々とお会いすることもできました。 山田町には、サントリーホールディングスが復興支援のために取り組む「東北サンさんプロジェクト」の
新型コロナウイルスによる業績悪化で株主優待制度を廃止、縮小する企業が出始めた。個人投資家からは不満の声もあるが、日本株の株主に占める個人の比率は2割弱に過ぎない。大半を保有する金融機関や事業法人といった大口投資家は、株主優待をどう処理しているのだろうか。あまり知られていない実態を探った。 6月中旬、東京都葛飾区に拠点を置くNPO法人のレインボーリボンは地域の子ども向けに、弁当の持ち帰りサービスを始めた。かねて運営する「こども食堂」がコロナ禍により開けなくなっており、密回避のため弁当を持ち帰ってもらう形で再スタートした。例えば、7月11日の弁当のメニューはキーマカレー。この日に使ったコメは、じつは岡三証券から提供された株主優待品だ。 コロナはこども食堂に通う児童に多大な影響を及ぼした。緊急事態宣言で学校が休校になり、給食を食べられないことで栄養が不足する困窮家庭の子どもが増えたという。臨時休
クウェート首長府は、サバーフ(以下、サバハ)首長が9月29日、死去したと発表した。クウェートのテレビ局は発表の少し前から通常の番組を中断してクルアーン(以下、コーラン)を流し出したので、多くのクウェート人は首長の身に何かあったと察したであろう。サバハ首長は、7月に国内で手術を受けたあと、米国の病院に入院していたからだ。 その後、健康状態は回復との公式発表が時おりなされていたものの、首長本人は一切表に出ることがなくなっており、91歳という年齢も年齢なので、健康状態に懸念が出ていた。 クウェートのような小さな国の首長が亡くなったことに、どれぐらいの人が関心を持つか分からないが、この国に長く関わってきた人間として、サバハ首長の業績や今後の動きについて考えてみたい。 クウェート版両統迭立が続いた 亡くなったサバハ首長は、正式にはサバハ・アフマド・ジャービル・サバハといい、クウェート首長家であるサバ
「止まらない本離れ」「街から本屋が消える」……。暗い話が目立つ出版業界だが、そんな“衰退論”を覆そうとする人々がいる。顧客が本に出合う場を変え、出合い方を変え、出合う意味までも根本から考え直す。そこには他業界にとっても価値がある、人口減時代に生き残るマーケティングのヒントがある。 2020年1月31日~2月1日の2日間、東京・二子玉川駅直結の商業ビルに挟まれた半屋外広場「二子玉川ライズ ガレリア」が、大勢の人でごった返した。建物の間を冷たい風が吹き抜ける中にもかかわらず、来場者は昼から夜まで途絶えない。目当てにしているのは、その場に集まった40店の「本屋」だ。 このイベント「二子玉川 本屋博」は、二子玉川の蔦屋家電を中心とする実行委員会が、独自の選書や販売の工夫で知られる全国の書店の協力を経て初めて実現したもの。出店者はブックオフコーポレーションが展開する「青山ブックセンター」のような有名
(前回はこちら) 前半では、「エレキの若大将」を通して、夢のような理想に現実味を感じられた、高度経済成長期についてお話をうかがいました。 押井:「エレキの若大将」で思い出すのはそういう時代のことなんだよ。昔の映画を見るとその時代を思い出す。そういう意味では便利な装置でもあるんだよね。でもそれを同時代で見てない人間にとってはナニモノでもなかったりするわけ。そこがいわゆる「古典」とは違うんだよ。時期限定というか世代限定。それが映画の宿命と言えば宿命なんだけどさ。 連載の最初におっしゃっていた「映画は時代の記憶装置」ですね。 押井:そういう「時代を思い出す映画」はみんな思い当たる節があるはずだよ。僕にとっては「エレキの若大将」だったり怪獣映画だったりするものが、もうちょっと下の人間にとっては「ガンダム」だったり「エヴァ」だったりするわけでしょ。いずれも普遍的なものではあり得ない。でももっと生々し
この半月ほど、お笑いタレントが舞台やネット動画コンテンツの中で披露したネタが炎上するケースが連続している。 まず話題になったのは、女性コンビのAマッソのケースだ。9月22日に開催されたお笑いライブのステージで、「大坂なおみに必要なものは」「漂白剤」といったネタがあったとして、ネット上で批判が集中し、所属事務所のワタナベエンターテインメントが謝罪。大坂側にも謝罪したと報じられた。 この騒動が呼び水となった形で、 「もっとひどいネタがあるぞ」 「こっちは問題じゃないのか」 といった声とともに引用されて炎上したのが吉本興業所属の芸人「金属バット」の漫才だ。 こちらのケースは動画がそのままアップされていることもあって炎上の度合いは、より激しいものになった。 内容は、わざわざ書き起こす気持ちになれない。リンクした記事の中で詳しく紹介されているので興味を持った読者は参照してほしい。動画の方もひと工夫し
日本では人口が減少し、人手不足が深刻化している。有効求人倍率は好景気を背景に2010年以降上昇を続け、18年には1.61倍と、1973年の1.76倍に次ぐ過去2番目の高水準を記録した。だが、人手不足を原因とする企業の業績不振の中には、よく見ると「本当に全てが人手不足のせいなのか疑わしい」事例があるようだ。日経ビジネス3月25日号「凄い人材確保」では、こうした疑惑の人手不足も研究した。 言い訳としての「人手不足」 民間調査会社の帝国データバンクによると、いわゆる「人手不足倒産」は増えている。2018年1年間で、従業員の流出や採用難などが最も大きな理由になって倒産した会社は153件。「人手不足」が叫ばれ始めた13年から始めた調査の中では18年の件数が最も多く、この5年で4.5倍となった。 人手不足に陥ってから倒産に至るまでにはいくつかの段階を踏むので、帝国データバンクとしては人手不足が「直撃し
前回から引き続き、日本人の“新たな国民病”とも言える逆流性食道炎について解説をしましょう。 逆流性食道炎は、胃酸や胃の内容物が食道に逆流することによって起きる食道の炎症です。 日本の環境が清潔になったことや、胃がんのリスクを下げるためにピロリ菌を積極的に除菌していったことによって、日本人のピロリ菌の感染率は激減しています。ピロリ菌が起こす萎縮性胃炎のせいで低下していた胃酸の分泌量は、正常レベル近くまで戻ってきました。 加えて食生活の欧米化(高脂肪食)や過食によって、胃酸が過剰に分泌されるようになり、逆流性食道炎になる人が急増しています。 逆流性食道炎は様々な症状を引き起こしてQOL(Quality of life 生活の質)を落としてしまいますが、何より問題になるのは、「食道がんのリスクが上がる」という点です。 慢性的に炎症が続いている場所では発がんのリスクが上昇します。これは、ピロリ菌に
「アイアンマン」「キャプテン・アメリカ」「アベンジャーズ」など、世界的なヒット作を次々に生み出しているマーベル。そんなマーベルから、新たなヒーローを主人公にした映画「ドクター・ストレンジ」が日本に上陸する。 世界では昨年11月に公開され、すでに6億ドル以上の興行収入を達成。アジアでも、中国が約2億ドル、韓国が約4000万ドルの大ヒットを記録している。世界の主要国の中で、日本でのマーベル人気は発展途上だが、世界各国と同様にヒットの可能性はあるのだろうか。映画のマーケティング・PRを統括するウォルト・ディズニー・ジャパン エグゼクティブ ディレクター井原多美氏に話を聞いた。 井原 多美(いはら・たみ)氏 上智大学卒。大広、アディダス・ジャパンにおけるコミュニケーション全体統括などを経て、2008年3月ウォルト・ディズニー・ジャパン入社。2013年1月よりスタジオ部門モーション・ピクチャーズ マ
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