アニメーター・矢野茜が選ぶアニメ3選。連載最終回は、高校卒業後、社会人として大きな挫折を味わっていた時期に出会い、心からの救いを得たという『こばと。』。どん底の精神状態の中で触れたひたむきな物語は、現在のアニメーターとしての彼女の活動にどのような影響を与えているのだろう。 ――最後の作品は、高校卒業後に見たという『こばと。』です。 矢野 はい。高校を卒業したあとは、イタリアンレストランに正社員として就職してウェイトレスをしていたんです。でも、それまでにアルバイト経験がなかったこともあって、社会にまったくなじめなくて……2カ月くらいで辞めてしまったんです。 ――初めての社会人で、かなり厳しい経験をしたんですね。 矢野 自分の人生の中でいちばん「世界に拒絶された感覚」というか、社会で生きていけないと思うくらい落ち込んでいた時期でした。お店のメニューが覚えられないのでオーダーを取ることもできなく

