今年も大学入学の季節がやってきた。この時期、多くの新入生が親元を離れ、大学のある場所へと引っ越していく。 こうした大学進学に伴う移動は都道府県間移動の主要な要因として知られてきた。子供の数は減っているものの、大学進学率が上がっているため、大学に行く人の数はさほど減っておらず、過去10年以上60万人を超えた水準で推移している。 文部科学省の「学校基本調査」は、高校の所在地別に進学先の大学の所在地別進学者数を公表しているが、高校の所在地が分かっているもののうち、出身高校が立地する都道府県の大学に進学する生徒の比率、いわゆる県内進学率は2023年には4割5分程度である。裏返すと、5割5分の生徒は県外に進学するのである。 このような大学進学に伴う地域間移動の様子がどのように変化してきたのかを、コロナ禍も含めて確認してみたい。なお、利用するデータは全て文部科学省の「学校基本調査」から得たものである。