「9.11戦争」の終焉と20年に及ぶ介入主義の徒労感 アメリカはどこで間違ったのか ~アフガンから消えた米軍、消えぬ国際テロへの脅威~ 9.11テロ攻撃は「歴史からの小休止」といわれたポスト冷戦時代に終止符を打った事件だった。90年代は歴史の終焉論が唱えられ、歴史が終わった世界では、もはや世界史的な事件は起きず、非歴史的な日常の連続で、人々は倦怠感と共に生きていく術を学んでいくしかないといわれた。 フランシス・フクヤマが唱えた歴史の終焉論は、冷戦におけるアメリカの勝利を礼賛したものと解されたが、実はフクヤマはこうした倦怠の中から生まれてくるであろう「末人」の危険性についても論じていた。末人はニーチェ哲学の中核にある概念だが、ここでは単に単調な日常を淡々と繰り返すことに満足する「意味を模索しない人間」とでもしておく。 暴力化していったアメリカ 確かに90年代後半のアメリカにはこうした雰囲気が