東京の杉並区で,子を保育所に入れられない母親らが区長に詰め寄っている模様です。仕事を持つママさんにとって,幼子を預ける先がないということは,「仕事を辞めろ」と暗に宣告されているようなものです。これは大きな問題といえましょう。 わが国では,子を持つ女性が就業できる条件が整っていないといわれます。上記の例は,いわゆる「待機児童」の問題に通じるものですが,職場においても,子どもができた女性職員に対し「仕事を辞めて育児に専念したらどうか」というような,肩たたきがなされることが少なくないと聞きます。 「子をとるか仕事をとるか」。日本はまだ,こういう二者択一を女性に強いる社会であるように思えます。このことが,わが国で進行する少子化の一因をなしていることは否定できますまい。 ある社会において,このような問題がどれほど深刻であるかは,子がいる女性のフルタイム就業率ないしは専業主婦率を観察することで推し量る