和歌山観光の顔として、大きな人気を誇ってきた和歌山電鉄の三毛猫駅長「たま」の訃報(ふほう)が伝わった24日、県内では悲しみとともに、これまでの活躍に対する感謝の声が聞かれた。同電鉄は28日に社葬を営み、たまを「名誉永久駅長」としてその名を残すという。 たまが過ごした貴志川線貴志駅(紀の川市貴志川町)。24日夕、壁にはたまの写真が普段通り飾られていたが、たまの勤務場所だった「駅長室」の扉は閉まっていた。 貴志川線で和歌山市内の高校に通う南出栞歩(しほ)さん(16)は「中学校のころから、休日に学校から貴志駅へ帰ってくると、たま駅長が出勤していた。いつも見守ってくれていたたま駅長が突然いなくなって、とても寂しい」、別の女性も「地域のみんなが愛着を抱くネコだった」と悲しそうに話した。「たまが駅長になってから、外国人観光客が増えるなど地元がにぎわった。でもこれからは私たちが頑張らないと」との声も。