国内におけるランサムウエア(身代金要求型ウイルス)被害が相次ぐなか、被害者救済に明るい兆しが見えてきた。警察庁がランサムウエアによって暗号化されたデータの復旧に成功したというのだ。日本経済新聞社の報道によれば、ランサムウエアの一種「LockBit(ロックビット)」の被害に遭った3社で、警察庁が暗号化されたデータを元の状態に戻すことに成功したという。 警察庁サイバー捜査課は報道内容に関する日経クロステックの取材に対して2023年1月、ランサムウエア被害組織のサイバー特別捜査隊による捜査の過程でデータの復旧に複数件成功したことを明らかにした。サイバー特別捜査隊は2022年4月に発足した、重大なサイバー攻撃への対処を担う国の捜査機関だ。 ただ、多くのランサムウエアはインターネット通信の暗号化に使うTLS/SSLで採用されるAESなど、高度な暗号化技術を利用している。暗号化を解除する鍵(復号鍵)を