→紀伊國屋書店で購入 「原発報道をめぐる/からの根源的な問い」 本書は、東日本大震災と原発事故が発生した3月11日から17日までのNHKと民放キー4局の報道番組を著者が精緻に検証したものである。「テレビ分析は、あくまでテレビテクストで起きたことがらに即して行われねばならない」(31頁)という理由から、ドキュメント形式をとっているが、本書の意義は記録的価値に留まるものではない。 「はじめに」で、著者はシンプルかつ根源的な問いから出発する。 「チェルノブイリ原発事故に匹敵する、人間の生命や健康に直接的な影響を及ぼすこの重大事故を、テレビメディアはどう伝えたのか」(13頁) 「日本の政府は、人間の生命や健康を守ったのか。そして、同じように、テレビというメディアは、この国で生活する人びとの生命や健康を守ったのだろうか」(同) すでに震災とメディアをめぐってはいくつもの書籍が刊行されているが、このよ