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2012年8月14日のブックマーク (32件)

  • 『星のかけらを採りにいく―宇宙塵と小惑星探査』矢野 創(岩波書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 このは、宇宙塵(うちゅうじん)を集めることに心血を注ぐ、ある研究者によって書かれました。名前は矢野創。彼が何者であるかは、冒頭の一節を読めばすぐにわかります。 二〇一〇年六月一四日。私は南オーストラリアのウーメラ砂漠の赤茶けた荒野に立ち、透明感のある日差しと穏やかな風を全身に感じていました。(中略) 二〇〇三年五月九日に鹿児島県の内之浦で旅立ちを見送った工学試験探査機「はやぶさ」の地球帰還カプセルは、前夜に人工流星となって南天の星空を照らし、今は私の眼前数十m先の低い藪の中に、パラシュートと共に静かに横たわっています。太陽の光を受けてキラキラと輝くその姿は、打上げから七年間を経て、小惑星イトカワを往復してきたとは思えないほど、新品同様に見えました。 矢野氏は、日を感動の渦に巻きこんだ、あの「はやぶさ」プロジェクトで、イトカワの試料(サンプル)を採取する機構(サンプ

    『星のかけらを採りにいく―宇宙塵と小惑星探査』矢野 創(岩波書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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    『星のかけらを採りにいく―宇宙塵と小惑星探査』
  • 『インターネットの銀河系-ネット時代のビジネスと社会』マニュエル・カステル著/矢澤修次郎・小山花子訳(東信堂) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「望ましいネットワーク社会を考え続けるために~ネットワーク社会論の新たな古典」 書は、南カルフォルニア大学教授であるマニュエル・カステルによって書かれた学術書である。インターネット社会を理解するための、あるいはインターネットを社会学的に理解するための基書の一つといえるだろう。 原著は10年以上も前に書かれ、訳書が刊行されてからもすでに3年がたつが、改めて読み直してみても、その面白さには変わるところがない。カステルの著作としては、1996~98年にかけての「情報の時代」3部作が知られているが、まだ邦訳が出そろっていない現時点においては、その情報社会論の骨子を知るうえで、書の重要性は言うまでもないだろう。 むしろ、変化し続けるインターネット社会の諸問題について、その表層的な目新しさに惑わされず、当に重要なことを見据えながら対峙していくためには、これからも読み継が

    『インターネットの銀河系-ネット時代のビジネスと社会』マニュエル・カステル著/矢澤修次郎・小山花子訳(東信堂) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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    『インターネットの銀河系-ネット時代のビジネスと社会』
  • 『舟を編む』三浦しをん(光文社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「読後、心地よい風が吹く作品」 日に一時帰国するたびに、気になる言葉が増えてくる。こちらが普段海外に住み、目まぐるしく変わる日語に対応できていないのが原因か、歳を取ると共に若者との感覚がずれてくるせいかは分からない。テレビの司会者等も使っている「ぜんぜん+肯定的表現」などはいまだに違和感を感じるが、今回は大相撲中継を見ていて、アナウンサーが「勝ちっぱなし」という言葉を連呼するのが気になった。 広辞苑によると「その事をしたままで捨てておく意や、その状態が続く意を表す。」となっているので、誤用ではないのだろう。だが、私には「~ぱなし」というのは、どうも負のイメージがまとわりつき、前者の意味しか思いつかない。「やりっぱなし」、「開けっぱなし」等、良い意味合いで使わないことが多いだろう。故に「勝ちっぱなし」という発言を聞くと、このアナウンサーは当該力士が勝つことを面白く思

    『舟を編む』三浦しをん(光文社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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    『舟を編む』
  • Amazon.co.jp: 活字が消えた日-コンピュータと印刷-: 中西秀彦: 本

  • 『学術出版の技術変遷論考』 中西秀彦 (印刷学会出版部) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 グーテンベルクの徒弟にペーター・シェッファーという男がいた。シェッファーは徒弟とはいってもパリ大学に学び、グーテンベルクに出資したフストが印刷工房を差し押さえると工房の運営をまかされ、後にフストの娘と結婚して印刷を家業とするようになった。シェッファーの息子は1514年に印刷術の発明者はグーテンベルクだと記し、それがグーテンベルクが活版印刷を発明したことを証明する最初期の記録となっている(高宮利行『グーテンベルクの謎』)。 近年のハイテク調査によってグーテンベルク聖書には後代に継承されなかったさまざまな技術が駆使され、試行錯誤をくり返していたことがわかっている。シェッファー自身が記録を残すか、息子がもうちょっと詳しい記録を書いておいてくれればグーテンベルク革命の実態がわかったのだが、そうはならなかった。 20世紀の最後の30年間に印刷出版の世界ではグーテンベルク以来の大

    『学術出版の技術変遷論考』 中西秀彦 (印刷学会出版部) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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    『学術出版の技術変遷論考』
  • 『大往生したけりゃ医療とかかわるな』中村仁一(幻冬舎新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「「終活」のバイブル」 日では「終活」という言葉が流行っているらしい。紛れもなく老人大国であるから、それは当然の現象であるし、自分の身の始末を元気な時に考えておくことは、重要なことであるに違いない。だが、我々はなかなか自分の思い通りに死ねない世の中に生きている。病にかかって入院すれば、医者の言いつけ通りにしていないと、怒られるし、追い出されるかもしれない。自分の体であるのに、時として正確な情報も与えられず、檻の中の動物のように「飼われる」だけの状態でいることもままある。 我が家のモットーは「死ぬまで元気でいること」である。長生きしたいのではない。最後までできる限り「元気で」いたいのだ。病院で種々の管に繋がれ(スパゲティ症候群)親しい人とも会えない形で長い間おかれるのは、誰しも望まないのではないだろうか。もちろん生老病死はコントロールできるものではない。それでも死の「

    『大往生したけりゃ医療とかかわるな』中村仁一(幻冬舎新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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    『大往生したけりゃ医療とかかわるな』
  • 『世界のかわいい刺繍―世界各地の民芸品、アンティーク、フェアトレード、作家の刺繍』(誠文堂新光社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 下着デザイナー・鴨居羊子の初期の作品(下着会社チュニックの商品)には、鴨居自らが刺繍をほどこしたスリップやショーツがあったという。下書きなしで、薄い布地に直接チクチクと針を刺していったというのは彼女のデッサン力と手先の器用さゆえだろうが、そこには既成の図案そのままにする刺繍へのアンチテーゼも含まれていたようだ。 刺繍といえば、編物とならんで女がするホビー、手芸の一大ジャンル。それらの技法と図案による手芸のは明治のころから山と出されている。女学生のころ、兄にプレゼントされた中原淳一デザインの日記帳にいまひとつぴんとこなかった、つまり女向けのお仕着せには反発心をおぼえずにいられない鴨居にとって、手芸書をたよりにするものづくりに面白味を感じられないのは当然のことだった。何事においても型破りなのが彼女のウリなのであるから。 けれど、これなら鴨居もよろこびそう、と思える刺繍

    『世界のかわいい刺繍―世界各地の民芸品、アンティーク、フェアトレード、作家の刺繍』(誠文堂新光社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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    世界のかわいい刺繍―世界各地の民芸品、アンティーク、フェアトレード、作家の刺繍』
  • 『きよしこ』重松 清(新潮社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

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    『きよしこ』
  • 『股間若衆 男の裸は芸術か』木下直之(新潮社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 こかんわかしゅう。 まるで男色をテーマにした洒落のタイトルのよう、と、副題には「男の裸は芸術か」。そう、これは男性裸体表現をめぐるいたって真面目な論考なのだった。 きっかけは、著者が赤羽駅前で発見した男性裸体彫刻である。その、ふたりの裸の青年の股間は、なんとも不思議な様子をしていた。からだの他の部分、へそや、鼠径部の窪みや、腰まわりの筋肉などは写実的であるのに、その部分だけはあやふやに、ぼんやり、もわわんと膨らんでいるだけ……名づけて「曖昧模っ糊り」、なんと見事なネーミングだろうか。 かくして著者は「股間若衆」をもとめて旅にでる。駅から駅、街から街、あるいは時をさかのぼり、明治期の美術展覧会場へ。 明治三十四年の第六回白馬会展で、黒田清輝の描いた裸婦像の下半分に布が巻き付けられたいわゆる「腰巻き事件」は広く知られた話。もちろん、男の裸だって取り締まられた。明治四十一

    『股間若衆 男の裸は芸術か』木下直之(新潮社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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    『股間若衆 男の裸は芸術か』
  • 『3・11複合被災』外岡秀俊(岩波新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 1995年の阪神・淡路大震災のときは、すぐに2階から震源地の見える実家に行き、その後の復旧状況も具に見たが、しばらくすると報道を見聞きすることができなくなった。今回の東日大震災・福島第一原子力発電所事故の報道も、しばらくすると見ることができなくなった。被災地に行くかわりに行ったのが、玄海島だった。島は、2005年3月20日に震度7と推定される地震(福岡県西方沖地震)に見舞われ、全225戸中173戸が全半壊し、ちょうど1ヶ月後の4月20日に最大余震5強で半壊住宅がすべて全壊した。人口700人ほどのすべてが、代表者10人ほどを残して島外に避難した。 博多埠頭から福岡市営渡船が日に7便運航し、約35分で玄海島に到着する。周囲4.4キロの島は、6年たってようやく周回道路で1周できるようになっていた。港付近の平地には数階建ての集合住宅が建ち、そのひとつのエレベーターで屋上まで

    『3・11複合被災』外岡秀俊(岩波新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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    『3・11複合被災』
  • 『ピアニストの脳を科学する』古屋晋一(春秋社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「脳科学・身体運動学からひもとく、音楽する脳と身体の神秘」 ピアノストの指の動きと、それをコントロールする脳の活動の関連が、とてもわかりやすく書かれている。「練習して弾けなかったことが弾けるようになると、脳や身体はどう変わるのか」という視点からのアプローチが新鮮な、今までお目にかかれなかった内容のである。 長年の訓練によって育成されたピアニスト特有の手指の運動は見ているだけでも華麗だが、「どのようにするとこんな神業のような動きが可能になるのだろう」という点は、多くの人にとって謎である。訓練なしに会得できない技能であることは、誰の目にも明らかだ。これに関連する研究は欧米でも行われていた。しかしその成果はごく一部の学術関係者の間で共有されているだけで一般の人に容易に理解できるようなものではなく、ましてやピアニストたちにフィードバックして役立てられるようなものでもなかった

    『ピアニストの脳を科学する』古屋晋一(春秋社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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    『ピアニストの脳を科学する』
  • 『装丁山昧』小泉 弘(山と溪谷社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「の品格は表紙にある」 私の大好きなブックデザイナー、小泉弘さんのが山と溪谷社から出版された。 題して『装丁山昧』(そうていざんまい)。 と同じくらい山を愛する「紙のアルピニスト」小泉弘さんが、これまで装丁してきたたくさんのの中から、とくに「山の」に焦点を当ててまとめたものだ。 ページをめくるたびに、ため息が出るような美しいが登場する。どれも小泉さんらしい、清楚で、品のある装丁の数々。そして、それらのについて語られた文章が、またいい。たんに外周を飾る装丁ではなく、内容を深く理解した上でを装おうとしている小泉さんの態度に、心が揺さぶられた。 たとえば『立山のふもとから』(船尾美津子、山と溪谷社)について書かれた文章。 毎日新聞の富山版に連載しているエッセイをにしたいというお話だった。 一読して文章の上手な方だなと思い、そして行間に漂う空気に、ああ、東京

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  • 『痕跡本のすすめ』古沢和宏(太田出版) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 古書店の店先に、買い取られてきたばかりらしい、整理もされてないまま紐で括られた、「古」という商品になる以前の物体が無造作に置かれてあるのをみると、虫いの葉っぱがそのままだったり、まだ泥がついたままだったりする採れたての野菜を思い出し、喉の奥がむうー、と鳴ってしまう。そう、このは、ちょっとくらい汚れてたって平気平気、べても死にやしないよ、という方になら楽しめそうな一冊といえよう。 当たり前のことのようですが、全ての古には、前の持ち主が存在します。 が古屋さんに並ぶ前、そのは必ず、誰かの棚ににあったものです。そして、様々な理由で持ち主の手を離れ、古屋へ流れ着くことになりました。 それはたとえば、傷やよごれのない、一見新品にしか見えないような古でも同じことで、そこには前の持ち主がそれを買った理由があり、そして手放した経緯が存在する……。 そう、すべての

    『痕跡本のすすめ』古沢和宏(太田出版) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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    『痕跡本のすすめ』
  • 『紙と印刷の文化録 — 記憶と書物を担うもの』尾鍋 史彦(印刷学会出版部) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「紙と人間の親和性は永遠か?」 待ちに待っていたが刊行された。『印刷雑誌』連載中から、になるのをずっと待っていたものだ。紙と印刷について、文化歴史、科学技術面からの考察をはじめ、9.11やWikiLeaks問題といった政治経済まで、じつに幅広い話題が採り上げられ、毎回読むのが楽しみな連載だった。 書は、前日印刷学会会長であり東京大学名誉教授(製紙科学)である “紙の専門家” 尾鍋史彦氏が、月刊『印刷雑誌』に1999年から2011年末まで13年間にわたって連載した「わたしの印刷手帳」156編のうち、70編を抜粋し分野別にまとめたものだ。 章立ては「第1章 印刷物の影響力」「第2章 情報と紙の関係」「第3章 産業としての印刷と紙」となっており、各章の終わりには書き下ろしで総括的な文章が掲載されている。 著者が製紙科学の専門家だから、ひたすら紙を礼賛した内容だと思

    『紙と印刷の文化録 — 記憶と書物を担うもの』尾鍋 史彦(印刷学会出版部) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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    『紙と印刷の文化録 — 記憶と書物を担うもの』
  • 『猫を愛する人のための猫絵本ガイド』さわださちこ(講談社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「トラウマを乗り越えて愛してしまっているのかも」 ネコ派?イヌ派?と聞かれたら断然イヌ派!と答える。 それなのに、絵となると、がでてくるものが気になって仕方ないことに気付いた。 ネコという存在への永遠の憧れ? 嫉妬? ええっ?ネコみたいになりたいのか、私!? 小さいとき、お向かいのヒロセさんちの大きいネコにちょっかいだして 鼻をガリリとひっかかれたのが、相当なトラウマになっている。 そのヒロセさんちには、おっかないおばさんがいた。 家の前であそんでいてボールがヒロセさんちの庭に入ってしまおうものなら、 ちくちく嫌みを言われながら怒られるので当にもうおっかなくて、 だからヒロセさんちのネコにもまさに「なで声」で近づいて、 ガリリとやられたのだった。 いまでも、思い出しただけで、ぶるっと震えがくるくらい、恐い。 ネコってば、私の心を見透かすような瞳でみつめてきて、

    『猫を愛する人のための猫絵本ガイド』さわださちこ(講談社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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    『猫を愛する人のための猫絵本ガイド』
  • 『テレビは原発事故をどう伝えたのか』伊藤守(平凡社新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「原発報道をめぐる/からの根源的な問い」 書は、東日大震災と原発事故が発生した3月11日から17日までのNHKと民放キー4局の報道番組を著者が精緻に検証したものである。「テレビ分析は、あくまでテレビテクストで起きたことがらに即して行われねばならない」(31頁)という理由から、ドキュメント形式をとっているが、書の意義は記録的価値に留まるものではない。 「はじめに」で、著者はシンプルかつ根源的な問いから出発する。 「チェルノブイリ原発事故に匹敵する、人間の生命や健康に直接的な影響を及ぼすこの重大事故を、テレビメディアはどう伝えたのか」(13頁) 「日の政府は、人間の生命や健康を守ったのか。そして、同じように、テレビというメディアは、この国で生活する人びとの生命や健康を守ったのだろうか」(同) すでに震災とメディアをめぐってはいくつもの書籍が刊行されているが、このよ

    『テレビは原発事故をどう伝えたのか』伊藤守(平凡社新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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    『テレビは原発事故をどう伝えたのか』
  • 『ベリーダンスの官能――ダンサー33人の軌跡と証言』関口義人(青土社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

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    『ベリーダンスの官能――ダンサー33人の軌跡と証言』
  • 『猫語の教科書―共に暮らすためのやさしい提案 』監修・野澤延行(池田書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 旅、料理、手芸、ファッション、健康や自己メンテなど、最近の実用書には、いかにも実用書然としたのではない、おしゃれなデザインのものがおおい。 実用書といえば!の池田書店のものにもその手のがいろいろとある。そういえば、現在大流行中の塩麹についてはじめて知ったのはここの『麹のレシピ―からだに「いいこと」たくさん』(おのみさ著)だった。また、ページにゆらめくさまざまな金魚たちの姿に見惚れる『金魚―長く、楽しく飼うための (もっとわかる動物のことシリーズ) 』(川田洋之助監修/ 岡信明)も棚にある。金魚を飼うつもりなどないのに。 さて、はじめてと暮らす人のための書のタイトルは、好きのバイブルともいうべきポール・ギャリコの『語の教科書』から。の目線から、人間との暮らしをいかに快適にするかが語られるこのギャリコのによれば、ヒトはどうしようもなくおろかな生きものだ

    『猫語の教科書―共に暮らすためのやさしい提案 』監修・野澤延行(池田書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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    『猫語の教科書―共に暮らすためのやさしい提案』
  • 『オオカミの護符』小倉美惠子(新潮社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 きっかけは、一枚の護符だった。「武蔵國 大口眞神 御嶽山」という文字の下に、黒い犬のような獣の図像が描かれているその紙切れは、生家の土蔵の扉に貼られていた。 著者はそこから、地元でひっそりと受け継がれている「御嶽講」の歴史をたどって、青梅の御嶽山・武蔵御嶽神社、さらにはその奧に連なる秩父の山々へと導かれ、その一帯に伝わるオオカミ信仰と神事、これを受け継ぐ人びとの〝山の世界〟へと分け入ってゆく。 それらは映像として記録され、映画『オオカミの護符――里びとと山びとのあわいに』として2009年に公開、これを元に書かれたのが書である。 著者が生まれ育ったのは神奈川県川崎市宮前区土橋。東急田園都市線の宮前平から鷺沼にかけての一帯である。 東急グループが、「開発総面積5,000万㎡という、民間事業としては我が国最大の規模である「多摩田園都市」の街づくり」と言うように、この沿線に

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    『オオカミの護符』
  • 『痕跡本のすすめ』古沢 和宏(太田出版) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「《書き込みあり》に魅力あり」 【痕跡 KONSEKI-BON】前の持ち主の痕跡が残された古のこと。(書の帯より) 古を買うと、たまに出会うことがある。 私が出会った「痕跡」で印象に残っているのは、十年ほど前に福岡の古書店からネットで購入した、1960年発行の印刷専門書だ。印刷に関する新聞記事の切り抜きと一緒に当時の注文短冊が挟まっていて、直方市のみやはら書店に小学校の○○先生が注文しただとわかった。その先生が、おそらく仕事には関係ない印刷のことを熱心に勉強していたことが、40数年の時を越えて伝わってきた気がして、少し感動した。 まあこんなことは稀だが、アンダーラインやメモが書き込まれた古はよく見かける。これが鉛筆書きだったりすると、ほとんどは店頭に並ぶ前に消しゴムでゴシゴシと消されてしまい、微かな凹凸だけが残っていたりする。「書き込みあり」になるだけで

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    『痕跡本のすすめ』
  • 『弔辞 劇的な人生を送る言葉』文藝春秋編(文春新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「メディアとしての弔辞」 私事になるが、先日弔辞というものと向き合う機会があった。辞書を引くまでもなく、弔辞とは「死者を弔うことば」のことである。冠婚葬祭のマナーについて書かれたサイトや書籍は数多く存在しており、そこでは、弔辞の適切な時間、盛り込むべき内容、あるいは反対に使ってはいけない表現などがマニュアル化され詳細にわたって書かれている。 愛する家族の死を経験したばかりだからかもしれないが、これらは便利な半面、死者を弔い、その人生の締め括り向けられることばが、あまりにも儀礼的に平板なものとして扱われているという印象を抱いてしまう。 「そもそも弔辞とは何か」ということや、その現代的な意味合いについてまでを問おうとした文献を評者は管見にして知らない。そんな中、「二十世紀を彩った50人への名弔辞」と銘打たれた書は、どのような弔辞が無難か、良い弔辞とは何か、といったような

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    synapse_books 2012/08/14
    『弔辞 劇的な人生を送る言葉』
  • 『男子校という選択』おおたとしまさ(日本経済新聞出版社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「ホモ・ソーシャリティにアイデンティティ形成の基盤を求めるという選択」 書は、育児教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が、男女共学化が進む今日においてもなお、いわゆる中高一貫男子校に進学することのメリットを説いた著作である。 一読して感じたことだが、非常にバランスの取れた内容であり、社会学的に見ても興味深い指摘が散見されるものとなっている。 今日、「中学受験は親の受験」という言い回しがあるように、その競争は過熱する一方で、多くの私立校は生き残りをかけて共学化を進めてきた。 そこには筆者が言うように、共学校という「異質性」のある空間を増やそうと、多くの学校が「同質的」に変化するというパラドキシカルな状況が見てとれる。 しかし、それでもなお、日におけるトップレベルの進学校には、未だに名門男子校が君臨し続けている。筆者は、その要因を解き明かすと同時に男子校に進学するこ

    『男子校という選択』おおたとしまさ(日本経済新聞出版社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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    『男子校という選択』
  • 『英国メイド マーガレットの回想』マーガレット・パウエル/村上リコ・訳(河出書房新社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 村上リコ『英国メイドの日常』では、さまざまな元メイドたちの回想録から当時の彼女たちの生活が紹介されていたが、そのなかでも英国でもっとも広く知られているのが、このマーガレット・パウエルの回想録である。 1907年、マーガレットは、英国サセックス州のホーヴという海辺の町で、ワーキングクラスのなかでもことに貧しい家に生まれた。父は雑役夫、母は日雇いの家事雑用をしていたが、父の仕事の減る冬場ともなると家族はその日べるものにすら事欠く困窮ぶりだった。 長女だった彼女は、母に代わって朝の支度やかたづけ、下の子たちの送り迎え、買いもの、なんでもやった。おいしかった母親の料理、路上での昔ながらの遊び、比較的余裕のあるときには映画にも行けたし、なにより楽しみだったサーカスには、空き瓶集めや肥やし拾いで小遣いを稼いで、兄弟みんなで出かけた。いつもお腹をすかせていたが、少女時代を振り返

    『英国メイド マーガレットの回想』マーガレット・パウエル/村上リコ・訳(河出書房新社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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    synapse_books 2012/08/14
    『英国メイド マーガレットの回想』
  • 文筆家・近代ナリコの書評ブログ : 2011年07月26日

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    synapse_books 2012/08/14
    『英国メイドの日常』
  • コラム別に読む : 脳を創る読書 [著]酒井邦嘉 - 長薗安浩 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    読書量と想像力の関係を説く こののタイトルにある「脳を創(つく)る読書」とは、いったいいかなるものなのか。言語脳科学の第一人者である著者、酒井邦嘉はまず、活字を読む行為をこう定義する。 〈「読む」ということは、単に視覚的にそれを脳に入力するというのではなく、足りない情報を想像力で補い、曖昧なところを解決しながら「自分の言葉」に置き換えていくプロセスなのだ〉 活字は音声や映像に比べて圧倒的に情報量が少ないため、どうしても読者の想像力が必要となる。音声や映像は、受動的に聞いたり見たりしていればそれでやり過ごせるが、活字の場合は、前にもどったり、同じ文章を何度も読み返したりしながら知らない言葉や文意を自分なりに考え、想像せざるを得ない。 しかし、このように読書を通して想像力を培うことができれば、入力情報の不足分を「自分の言葉」で埋めていけるようになり、言語能力も同時に鍛えられると酒井は説く。

    コラム別に読む : 脳を創る読書 [著]酒井邦嘉 - 長薗安浩 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
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    synapse_books 2012/08/14
    「脳を創る読書」
  • 本の記事 : クマを森へ帰せ 犬のブレット、活躍が本に | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    長野県軽井沢町で、クマを追い払うベアドッグの活動を紹介した「クマを追え!ブレット」(学研パブリッシング)が出版された。森に囲まれた軽井沢の別荘地周辺はツキノワグマの生息地でもある。かつては、ごみ箱をあさるクマが目立ったが、ここ数年は、ごみ箱の改良やブレットの活躍で被害が出ていない。 ブレットは8年前、生後間もなく、アメリカから軽井沢にやってきた。野生動物の生態を調査しているNPO法人「ピッキオ」で、田中純平さん(38)と一緒に森をパトロール。クマが出没したという情報があれば、昼夜を問わず、出動する。 カレリアン・ベアドッグと呼ばれる犬種のオス。フィンランド・ロシア国境のカレリア地方原産で、もともとクマの猟犬として飼育されたのが名前の由来となっている。田中さんによると、現在、国内でクマ対策のために活動している同犬種は、ブレット1匹だけという。 猟犬といっても、訓練されていて、めったなことでは

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    synapse_books 2012/08/14
    「クマを追え!ブレット 軽井沢クマ対策犬ものがたり」
  • 本の記事 : 〈本の舞台裏〉本屋さんが消える日 - 中村真理子 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    1日1軒のペースで屋は消えている。3月末に閉店した東京・ジュンク堂書店新宿店には、今でも再開を望む声が届くそうだ。 その最後の日までのフェアを追った『書店員が当に売りたかった』(飛鳥新社)は、店員がメッセージを手書きで書き込むPOPのカードだらけ。「心の支え」「トリハダたちます」とシンプルな言葉から熱い思いがまっすぐに伝わる。選んだがないことも多く、「おススメなのですが……残念ながら品切れでした!」とPOPだけが並ぶ棚は切ない。 このフェアの魂を引き継ぎ、ジュンク堂書店は全国42店で、「もしも明日、自分の店が閉まるとしたら、どうしても今日中に売っておきたい1冊フェア」を夏休みの間、開催している。 東京駅前の、丸善丸の内店4階にある松丸舗も、9月末の閉店が決まった。独創的な棚作りでファンは多かったが、「3年間という時限つきで、一つの区切りをつける」という丸善側の判断で、役割を終え

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    synapse_books 2012/08/14
    『書店員が本当に売りたかった本』『松丸本舗主義』
  • 書評・最新書評 : バイエルの謎―日本文化になったピアノ教則本 [著]安田寛 - 川端裕人(作家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

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    synapse_books 2012/08/14
    「バイエルの謎―日本文化になったピアノ教則本」
  • コラム別に読む : 世にも奇妙な人体実験の歴史 [著]トレヴァー・ノートン [訳]赤根洋子 - 江田晃一 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    書では自らの体を実験台にした奇人変人と呼ぶにふさわしい研究者が数多く登場する。血液、薬など医学を中心に17のテーマが収められているが、どこを読んでも驚きのエピソードにあふれている。 寄生虫を飲み込んだり、進んで感染症に罹ったりと、内容は多岐にわたるが、想像するだけで気持ちが悪くなりそうな実験例も少なくない。黄熱病研究ではアメリカ人の医学生スタビンス・ファースは感染経路を調べるために体に患者の尿を塗り、嘔吐物を摂取した。イギリスの外科医ジョン・ハンターは淋病と梅毒の関係性を知るため、淋病患者の膿を自分の性器に塗りこんだ。常軌を逸した行動に映るが、「自説は果たして正しいのか」ということに自らの体を賭けてでもこだわる研究者の強烈な自負も見え隠れする。 著者は彼らの功績はあまりにも評価されていないと指摘する。実際、嘔吐物にまみれたスタビンス・ファースの名前を誰も覚えていないのは事実だ。歴史に埋も

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  • 「ナチスのキッチン」書評 台所に介入する独裁者の恐怖|好書好日

    【河合隼雄学芸賞(第1回)】ナチスによる空前の支配体制下で、人間とをめぐる関係には何が生じたのか? 家事労働から材、エネルギーにいたるまで、台所という「戦場」の超克を… ナチスのキッチン―「べること」の環境史  [著]藤原辰史 「飽」時代の人間は、自分の眼(め)や鼻を信じない。賞味期限の数字を信用する。腐ってもいないのに捨てる。五官が衰えると、人は単純なものしか好まぬ。過激な言辞を喜ぶ。独裁者歓迎の素地は、着々とできあがりつつある。 ヒトラーを信奉するドイツのナチ婦人団は、は自分だけのものではない、と言った。身体は総統と国家のものだ。健康は義務で、健全な心身を養成する台所は、主婦の「戦場」であり、調理道具は「武器」に他ならない。主婦は台所の兵士である。国家が管理するのは当然、というのが独裁者の言い分であった。 残飯は豚のエサのため回収車に出すよう命じられた。後日、細かい分別リスト

    「ナチスのキッチン」書評 台所に介入する独裁者の恐怖|好書好日
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    synapse_books 2012/08/14
    「ナチスのキッチン―「食べること」の環境史」
  • http://book.asahi.com/ebook/master/2012072400049.html?ref=rss2

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    synapse_books 2012/08/14
    「NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか――天才数学者の光と影」関連書籍もチェック
  • BOOK TIMES (広告特集) : 韓国が漢字を復活できない理由 [著]豊田有恒 - 朝日新聞社広告局 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

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    synapse_books 2012/08/14
    「韓国が漢字を復活できない理由」