単細胞バクテリア、謎のヴェンド生物、ホヤ、翼竜、最初の人類ルーシーの仲間、レバノンでイネ科植物を育てたナトゥーフ人。読んでいると、私の身体のうちをあらゆる生体が通り抜けていった。 たった五百頁(ページ)あまりの本に、ビッグバンから二〇一一年三月一一日までの人類の歴史が網羅されている。未来がまるごと投げ出されるように本書は終わるので、地球が有限であるという退け難い現実に改めて向かい合うことになる。例えば、石油エネルギーは「二〇三八年までに、採算の合う油田はなくなる」。古生代の生物たちの遺骸が、長い時間をかけてエネルギーに変じたが、あっという間に使い尽くされ、天然資源の枯渇という危機に人類は瀕(ひん)している。 人類は一万二千年前から「自然の進化をコントロール」するようになった。動物の繁殖と改良、食べられる植物の栽培によって、人間中心に考えれば、土地を管理し、文明を築き上げたとも考えられるが、
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