わが子の利発なふるまいに「もしや天才かも」と胸躍らせた経験はないだろうか。ただ、本当に天才だったら喜んでばかりはいられないようだ。 「知能が高い英才児にとって、学校の授業は耐えがたいほど退屈。他の生徒の指導に忙しい先生には放置される。クラスメートからは不気味だといじめられる。どれほどつらいか分かりますか?」 そう語るのは米国サンフランシスコで幼稚園から高校までの一貫教育を行う私立ヌエバスクール副校長のテリー・リーだ。ヌエバ幼稚園の応募条件はIQ130以上。同じ年齢の上位2~3%に相当する。飛び抜けた知能の子どもだけを集めるのは、嫌な思いをさせず、伸び伸びと学びに集中できる環境を作るためだ。 全米には、知性や創造性、芸術性などに秀でて、普通の学校教育ではその能力を伸ばすことができない「ギフテッド(gifted)」と呼ばれる子どもが6~10%いるとされる。多くの州がこうした子どもを対象にした教