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  • 「もしも」の運用 - レジデント初期研修用資料

    あえて遠回りな問いを立てることで、より近い回答を得るやりかたについて。 たとえば「素人が3分間で朝青龍に勝てるやりかたを教えてください」なんて、格闘家の人にインタビューを行ったところで、たぶんたいした返事はもらえない。 それはそもそもが無理な問いだから、「無理」だとか「逃げろ」なんて返事ならまだいいほうで、「死んだ気で戦え」だとか、「素人でも余裕です」だとか、どうせ冗談にしか聞こえない、こんな問いには、いいかげんな答えしか返ってこない。 ところが「もしもあなたの息子さんが、今から3分後に朝青龍と戦わなくてはならなくなったら、あなたは3分間で何を伝えますか?」という質問を、いろんな格闘家に答えてもらったら、もう少し面白い返事がもらえるのだと思う。 「もしも」の状況に陥った息子さんに対して、たとえば格闘家としての自分のありかたを説く人もいるだろうし、とことん逃げるやりかた、「勝ち」というものの

  • 謝罪に関する覚え書き - レジデント初期研修用資料

    そのうちまとめたいと思っているもの。ゴールでなく、手段としての謝罪について。 謝罪というものを、事実と感情とを切り分けるための手段である、道具であると考えることで、謝罪の使いかたが上手になるんだと思う 苦情の原因は、「相手の勘違い」などではなく、常に「こちらの配慮不足」であると考えないといけない。事実で妥協する必要はないけれど、印象には配慮しないといけない 「相手がバカだから」「いちゃもんをつけられた」なら、それは馬鹿な相手を想定した対応を用意できなかった自分の非であって、だからこそ、謝らないといけない。謝罪という局面で大切なのは感情であって、事実は関係ない 「謝罪というのは弱さの現れ」であるという文化は止めたほうがいいんだと思う。「謝れる人は強い」という意見も同じぐらいに有害。謝罪は単なる手段であって、交渉者は、謝罪という行為に対して中立でないといけない 謝罪は具体的でないといけない。相

  • 何か新しいもの - レジデント初期研修用資料

    上司に当たる人から、「何か新しいものを作れ」と命じられた。夢の中で。 こんな夢を見た 夢の中で、自分たちのチームは、上司から「何か新しいものを作れ」と命じられていて、途方に暮れていた。会議で何かを決めようにも、そもそも「新しいもの」とは何なのか、あまりにも漠然とした課題に、みんな愚痴しかでなかった。 しばらくして、リーダーの人が、黒板みたいな場所に模造紙を貼って、やおら円グラフを書き出した。黒板に書けばいいと思うんだけれど、なぜだか紙を貼っていた。グラフにはゼロから24までの数字が並べられていた。それは要するに時計であって、リーダーは、24時間の自分の生活スケジュールを、そこに書き込んでいった。 0時から7時までは睡眠、8時までご飯、9時まで通勤、それから11時まで仕事、11時15分から12時半まで仕事、2時から5時まで仕事、家に帰って、ご飯があって、お風呂に入って、遊び時間があって、24

    t_ommy
    t_ommy 2010/02/01
  • 弱い何かに財布を接続する - レジデント初期研修用資料

    自分のためにお金を使う人は減っている。将来への不安とか、不信みたいなものがある限り、この傾向は変わらないと思う。 少し前なら、自分のすごさを表現するために無理して高い車を買うとか、「あえてお金を使ってみせること」というのが、ある種のかっこよさにつながっていたけれど、そうしたリンクはもう切れている。 で、今は何となく、「か弱くてかわいい何か」に強者の財布を接続できた人が、上手な商売を行っている気がする。 トリンプのサイトにはおねだり の機能がついていて、商品を買う女性から、男性の側に、支払いをお願いすることができて、これが大成功しているらしい GREE というサイトのマスコットであるクリノッペがすごい らしい。自分自身の分身である「アバター」にお金を支払うことに抵抗がある人でも、加入すると勝手についてくるペットと遊ぶうちに、そっちにはお金を使ってしまうらしい ペットビジネスは、「弱さ」と「財

    t_ommy
    t_ommy 2010/02/01
    「「か弱くてかわいい何か」に強者の財布を接続できた人が、上手な商売を行っている気がする」
  • 誠意は大切 - レジデント初期研修用資料

    処世術としての「誠実な会話」について。 何となく話そびれて、患者さんだとか、あるいはご家族から「話を聞かせて下さい」なんていわれたときの話しあいは、注意しないといけない。 これといった目的のない話しあいは、しばしば迷走して、収拾がつかなくなってしまうことがある。 最初に目的を宣言する 話しあいの前に、目標を宣言するのは大事なんだと思う。「今日は検査の報告だけさせていただきます」とか。「状態もだいぶ安定してきたので、退院の時期を相談したくて、今日来ていただきました」とか。 最初に医療者側から宣言をしておくと、話がぶれにくい。逆に「宣言」なしで、何となく話が進んで、ご家族の側から「宣言」を切り出されると、流れはご家族のものになる。流れを変えたり、あるいは「今日はこのへんで」なんて話を打ち切ると、それは「流れが着られた」という心証になって、どう言いつくろっても、いい結果を生まない。 「宣言」は単

  • 面白い物を生み出す仕組み - レジデント初期研修用資料

    出版社ごとの、文化というか、時間の流れかたについて。 原稿は忘れた頃にやってくる ずいぶん昔、所属医局で教科書を書くなんて話が持ち上がったときには、ずいぶんゆっくりとした流れだった。 企画書が回ってきて、分野ごとに担当執筆者が決められて、締め切りはたしか、3ヶ月ぐらい後だった。時間の流れかたは、締め切りが遠いとずいぶん速くて、「そのうち書こう」なんて思った原稿はそのままになって、最後の数週間、大いに慌てた。実際に「締め切り」が来て、原稿はもちろんそろわないから、それからまた、ずいぶん時間がたった。 原稿を書いたことすら忘れた頃、印刷物になった原稿が、手元に帰ってきた。みんなでそれに赤で訂正を入れて、たぶん訂正したのはそれっきりで、原稿はになった。 今でも時々、上の先生がたがを書く。やっぱり「忘れた」とか「忘れた頃に」なんて言葉は多くて、出版のペースは、そんなに変わっていないような気がす

    t_ommy
    t_ommy 2010/01/31
  • 「制約指向」メモ - レジデント初期研修用資料

    ある種の制約は自由を増やす。ある種の自由は人間の負担を増す 毎回考えていると負担になることを「制約」としてまとめることで、プロジェクトの戦略的な実施や、バグの地獄からの解放という「自由」が得られる プログラム言語にとっての「勇気」とは、プログラマにある種の制約を強いること」 Ruby on Rails は、プログラマの意図をあえて決め付けることで,特定の文化を背負ったプログラマにとっての利便性を追求したのだと いい制約とは「望ましい習慣の押しつけ」 「不自由が自由を作り出す」というのが、企画や設計の基(某劇場管理人からいただいたコメント) 信号機や交通ルールという不自由があるからこそ、自動車は自由に行きたいところに行ける 人間は、身体から持ちだした制約を通じることで、はじめて自ら置かれた空間を認識できる 我々の脳は、制約によって構成されている事物であるがゆえに、全くの自由を想像できない

  • 法律というカードの切りかた - レジデント初期研修用資料

    「プロ法律家のクレーマー対応術」というの抜き書き。 法律の専門家である弁護士が、「自らの有効な使いかた」を指南してくれる、 おもしろい立ち位置で書かれている。 あくまでも「弁護士に相談できる」という状況でしか役に立たないけれど、 何というか読むと「勝つ予感」がしてくる。 意味のない責任回避が顧客を怒らせる 単なる責任回避は、交渉の成功に何ら貢献しない 企業側が、意味のない責任逃れをする態度を見せることで、「怒れる顧客」が「悪質なクレーマー」へと変貌してしまう 代理店の過失を、たとえば社に持ち込まれたとして、 それを「代理店の問題だからうちは関係ない」といった対応を行ったところで、 その責任逃れは、「社の人」を慰撫する役には立っても、顧客の不満解消には、全く貢献しない メディアを騒がす不祥事などでも、たとえば企業の代表者が「報告を受けていなかった」であったり、 「あれは現場の判断であ

  • コミュニケーションの戦略論 - レジデント初期研修用資料

    こういう意識を普段から持っておくと、他愛のないおしゃべりが、 なんだか軍事作戦中の統合幕僚部の雰囲気になって、ちょっと面白い。 そもそもコミュニケーションとは何なのか コミュニケーションというものを、「意図を達成するために構想される、一連の行動計画」と定義する。 交渉者の目標は、自分の意図した度合いで、相手の意志をコントロールすることにある。 「論破」や「人格否定」、あるいは「勝利宣言」は、手段の一つであって、ゴールではない。 コミュニケーションが達成されるために、まずは相手との均衡を崩し、 「コミュニケーションの重心」をずらすような働きかけが行われる。 あらゆるコミュニケーション技法は、重心移動の手段でもある。 均衡が崩れ、重心がずらされた相手は、均衡状態に戻ろうとする。 コミュニケーションは、来的に予測不可能なものだけれど、 均衡に戻ろうとする相手の行動は、予測ができる。 予測可能

  • 西原理恵子の言葉 - レジデント初期研修用資料

    西原理恵子の新刊 「この世で一番大事なカネの話」からの抜き書き。 努力のしかた 順位に目がくらんで、戦う相手を間違えちゃあ、いけない 目標は「トップになること」じゃない。これだけは譲れない、大切な目標を実現すること 肝心なのは、トップと自分の順位を比べて卑屈になることじゃない。最下位でも出来ることを探すこと。自分の得意なものと、限界点を知ること。やりたいこと、やれることの着地点を探すこと。最下位の人間には、最下位の戦いかたがある 「どうしたら夢が叶うか」って考えると、全部あきらめてしまいそうになる。「どうしたらそれで稼げるか」って考えれば、必ず、次の一手が見えてくる 「カネ」を失うことで見えてくるもの 銀玉親方に教わったのは、まず「負けてもちゃんと笑っていること」。これはギャンブルのマナーの、基中の基 ギャンブルでした失敗を、もし、どうにも笑えなくなったなら、それはもう、その人が受け止

    t_ommy
    t_ommy 2009/01/04
  • 道具としての読書 - レジデント初期研修用資料

    電子化された文章というのはやっぱりどこか読みずらい。 ちょっと調べるだけならともかく、何かを読んで自分の文章を書くだとか、 まとまった、記述された知識を吸収して、それを自分の仕事に生かすだとか、 得た情報を、道具として利用しようと思ったら、やっぱり製されたが欠かせない。 電子時代の読書のありかたと、抜き書きの効果について。 読書というコミュニケーション 手で持てること。書き込めること。ページを折れること。 パソコンには、製されたが持っている、こうした感覚要素がまだ足りない。 ディスプレイに映し出された文字を追っかけるだけの電子媒体と、を読むという 体験それ自体がイベントになる読書と、パソコンという道具が持つ「帯域」は、 昔ながらのに比べて、まだまだ狭い。 恐らくは人ととの間には、視覚を含めたいろんな感覚が動員される、一種のコミュニケーションが成立している。 は人に情報をもた

  • みんなの意見で社会が滅ぶ - レジデント初期研修用資料

    うちの地域でも、中学生以下の小児医療が無料になる。来年あたりから決まりになるみたいで、 まだかろうじて生き残っている、小児救急やってる先生がたは、今からもう「終わった」とか言ってる。 夜間の小児科外来は、来る子供のうち9割以上は「軽症」。たいていの子供さんは、 日中の小児科外来が開くまで待っても、大きな問題は生じない。 今はそれでも、「時間外」であることが、わずかながら抑止力にはなっているけれど、 これが「無料」になってしまうと、もう歯止めがかからない。 黒幕はいない たぶん、議員も役所もそんなに馬鹿じゃないから、無料になったら患者が殺到して、 現場が疲弊して、病院が潰れることぐらい、容易に想像できるはず。 「無料化」を推し進める人は、たぶんそうなることを分かっているんだろうけれど、 多数決の原則は、その流れを止められない。 選挙は公約の争い。 誰かが「小児科医療無料化」を打ち出したら、

  • 「元気玉」の社会的有用性 - レジデント初期研修用資料

    「外傷がひどくて血が足りません。知りあいを当たって、A 型の血液を集めて下さい」なんて、 ご家族に協力を依頼できた時代は、あるいは医師-患者間のトラブルは少なかっただろうなと思う。 その頃はまだ、そこに集まった全ての人が、患者さんの治癒に貢献できたから。 重症の患者さんが運ばれてくる。治療だとか看護、書類仕事なんかを含めて、今は病院が全部やる。 ご家族はその間、待っていることしかできない。神様なんていなくなって久しいから、祈ることもできない。 「その場にいながら、貢献できることが何もないという状態」は、顧客を不安定な気分にさせる。 提供されるのは完璧なサービスだけれど、「何もしないで黙って待つ」に我慢できなくなった顧客は、 今度はきっと、そのサービスそれ自体を叩きはじめる。 悟空は幕引きに元気玉を使った 漫画「ドラゴンボール」の終盤、魔神ブウを倒すのに、悟空は「元気玉」を使った。 物語の設

  • 事象が社会と接続される - レジデント初期研修用資料

    秋葉原の無差別殺人事件を見ていて思ったこと。 青年が「巖頭之感」という遺書を残して華厳の滝に飛び込んだ、昔の事件を思い出した。 個人と社会とを切断することに失敗して、事件が社会に接続されてしまった例として。 行動規範が一人歩きする その人が亡くなった理由がよく分からなくて、何だか哲学的な遺書が残って、 メディアだとか、権威だとか、いろんな人達が、遺書の解釈だとか、評価だとかを 行った結果、単なる自殺は社会に接続されて、自殺という行為それ自体が、 新しい行動規範を生み出してしまった。 「悩める青年は、自殺という手段を通じて、自らの悩みを世に問うべきだ」みたいな ロールモデルが一人歩きした結果、そもそも死ななくてもいい人が、「死ぬべき」なんて 社会の気分を受け入れて、ずいぶんたくさん亡くなったのだと思う。 最近になって、あの人が自殺したのは、当は恋煩いみたいな個人的な悩みが原因であったなんて

  • 泥沼パターン - レジデント初期研修用資料

    叩かれて反論して、いつまで経っても議論がかみ合わないのに、 気がついたら一方的に勝利宣言されて、何だか世間では自分が「負けた」 ことにされてる。 そんな理不尽の、パターンと対処。 見える「世間」はものすごく狭い それはコメント欄であったり、ブックマークに寄せられたコメントであったり。 実際にサイトを見て下さる人は、たぶん数万人の単位でいるはずけれど、 その人達が文章を読んで、実際のところどう思っているのか、文章を書いた 側からは、「コメント」を通じることでしか、把握することができない。 自分は「こう」思われているなんて、作者の印象は、だからコメントを 残したり、ブックマークを残してくれる、ごく少数の「世間」が決める。 世間はすごく狭い。 自分がこの場所で文章を書く。たまにほめられたり、叩かれたりする。 時々「匿名ダイアリー」みたいなところでも書く。匿名だから、 いつもと同じ立ち位置で書くと

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