ああ僕は何かが違う。 発達障害を疑ったのは「アルジャーノンに花束を」という小説を読んだのがきっかけだった。主人公は生まれつきの障害から手術によって高度な知能を得る話だ。読んだことで障害への関心が高まったのは偶然だが、どちらにせよいつかは診断に至っただろう。 昔から内気で空気が読めない発言のせいか、はぶられていた。弱くはないけど集団には馴染めない。言わば擬態できる人間でないと内輪には入れない。他人と何かが違う。僕は異星人なんじゃないか。いやむしろ僕以外が異星人かもしれない。 学業もそこそこ出来たし、容姿が醜いという程ではなかったが、文化であるドッチボールが苦手でいつも悲惨な目にあわされた。ただどこにも居場所がなく、拠り所が自分しかない状況だった。 他人とは違う空間に生きているのだろうと思ってたがおそらく間違えではない。どこにいても交えられず、擬態してもすぐに崩れ去る。理解されるまでには時間が