『虐殺器官』は1年ぐらい前読んだときあまり面白くないなあと思ったものの、ちょうど作者が死んでたころだったので Web に感想を書くのは控えていたのだが、最近書店で平積みになっているのを改めて読んで、やっぱこれおかしいよなあと思ったのでちょっと書くことにする。 もっとも総評としては文庫版解説に載ってる小松左京の評 肝心の「虐殺の言語」とは何なのかについてもっと触れて欲しかったし、虐殺行為を引き起こしている男の動機や主人公のラストの行動などにおいて説得力、テーマ性に欠けていた。 で大体言い尽くされてるのだが。 まずあらすじはこんな感じ、 テロ対策のため管理社会化が進んだ近未来。それまで何の火種もなかった国、再建に向けて動き始めていた多くの国で突如虐殺が始まった。そしてその影に見え隠れするジョン・ポール。アメリカ特殊部隊隊員である主人公は彼を追う過程で、彼が「虐殺の文法」を広めていること、そして
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