日本の食料自給率は38%。つまり、単純計算では6割以上を輸入に頼っている。生産地やその周辺で天候、労働環境、流通環境などに大きな変化があれば、野菜、魚、肉、果物、穀物などの輸入がいつ影響を受けてもおかしくない。 少なくとも38%という国内の食料自給率を引き上げていかなければ、今後、世界的な食料争奪戦が激しくなるなかで、食料安定調達への不安は増大する一方だ。 前出のサバについては、日本の沿岸で獲れた小ぶりのサバは、数年前まではナイジェリアなどアフリカ向けに輸出されることが多かったが、昨年は、輸出先が大きく変わり、ベトナム、タイが1位、2位となった。輸出した国産サバをベトナムやタイの工場で缶詰に加工して、それを再び日本が輸入しているケースが多いのだ。 そうまでしてサバにこだわる日本国内の需要の高さに驚くが、日本沿岸で獲れたサバをわざわざ海外に運んで加工して、それを輸入しているという現実に愕然と