朝、コーヒーを飲む。 鼻こうをくすぐるよい香りが目を覚ましてくれる。 私たちの鼻は、空気中を漂う目に見えない小さなにおいの分子を捉え、その情報が脳に伝わると、分子の組み合わせのパターンと記憶を照合して、何のにおいかを判断している。 コーヒーの香りに、含まれるにおいの分子は、なんと約800種類。そして、そのにおいの分子は、40万種類以上あることがわかっている。1つのにおいは、数百から数千の種類のにおいの分子が混ざり合ってできている。それほど、においは複雑だ。 また、私たちは、生活の中で、ガス漏れがおきているかどうか、食べ物が腐っているかどうか、子どもがおむつにうんちをしたかどうかなど、においでさまざまなことを判断している。 驚くほど多くの情報が含まれているにおい。これまで、その情報を取り出し、十分に活用することができてこなかったが、ついにある日本人研究者が開発した「AI嗅覚センサー」で、その