般若湯(はんにゃとう)という言葉をご存知でしょうか? 実はこれ、お酒のことなんです。 昔、僧侶が隠語で酒をこう呼んでたらしいです。 なぜそう呼ぶようになったかは諸説あるようですが、 「般若」とは怖いお面のことではなく、 仏教用語で「智恵」のことです。 「般若心経」とは智恵のお経の意味で、 正式には「仏説摩訶般若波羅蜜多心経」と言い、 「摩訶」は「大いな、偉大な」の意味です。 ところが、下世話には「般若」に「湯」をつけて、 お酒の別名として使います。 これは仏教界での五つの戒律の中に「不飲酒戒」(ふおんじゅかい)が入っていたため、 お坊さんがこっそりお酒を飲む時に、隠語として使われてきた歴史があります。 また、別の説では これら五つのうち、最後の不飲酒戒の場合は、 酒を飲むこと自体をいましめたというよりも、 酒を飲むことによって、前の四つの戒めを犯しやすくなるからという理由によって制定された